ニチアス(5393)

ニチアス(5393)投資分析

INDUSTRIAL MATERIALS REPORT · 2026.08

ニチアス 5393

17年連続増配・DOE5%以上・累進配当 。 半導体、プラント、工業製品、自動車、建材へ事業を分散し、 高収益・強固な財務を持つ 優良配当成長株

株価 3,226円 利回り 2.01% 年間配当 65円 17年連続増配 自己資本比率 76.7%
評価:Aランク/83点。企業品質はS級だが、現在値では買い急がない。 配当成長力・財務・収益性はトップクラス。 一方、利回り2.01%・PER約17.5倍・PBR約2.5倍のため、 高配当投資なら2,800円以下から狙いたい銘柄です。
目次

投資判断の要点

ニチアスは、 プラント向け断熱・シール材、 工業製品、 半導体製造装置向け高機能製品、 自動車部品、 建材を展開する産業資材メーカーです。

最大の魅力は、 17年連続増配、 DOE5%以上、 現中期経営計画期間中の累進配当 という非常に強い株主還元方針です。

2027年3月期第1四半期も 売上高16.0%増、 営業利益20.7%増と好調で、 会社は通期業績予想を上方修正しました。

魅力: 17年連続増配、 DOE5%以上、 累進配当、 自己資本比率76.7%、 営業利益率15%超、 半導体需要回復。
注意: 現在利回り2.01%、 PER約17.5倍、 PBR約2.5倍。 企業の質は高い一方、 高配当投資として現在株価には 割安感が乏しい状況です。
A 83点

将来高配当化する配当成長株

現在利回りよりも、 高い増配力によって 将来の取得利回りを育てるタイプ。 企業品質はS級ですが、 現在価格の買いやすさはC評価です。

主要投資指標

株価
3,226円
2026年8月21日基準
予想配当利回り
2.01%
年間配当65円
予想PER
約17.47倍
上方修正後予想
PBR
約2.51倍
資産面では割高
予想配当性向
約35%
増配余力あり
自己資本比率
76.7%
財務は非常に強い
1Q営業利益率
15.5%
前年同期14.9%
最低投資額
322,600円
100株・手数料除く

現在利回り2.01%は3年平均を下回る

現在値の配当利回り

65円 ÷ 3,226円 = 約2.01%

現在の予想配当利回りは約2.01%です。

直近3年間の平均利回り約2.21%も下回っており、 過去の利回り水準と比較しても 現在株価に大きな割安感はありません。

高配当目的なら待ちたい

ニチアスは企業品質が非常に高いため、 必ずしも利回り3%以上でなければ投資できない銘柄ではありません。

判断: 高配当投資として取得するなら、 少なくとも利回り2.3%前後となる 2,800円以下から検討したい水準です。

現在は「安い高配当株」ではなく、 増配によって将来利回りが高まることを 評価して保有するタイプです。

17年連続増配+DOE5%以上+累進配当

1株配当推移

28.67
22/3
30.67
23/3
32.67
24/3
36.0
25/3
54.67
26/3
65.0
27/3予
決算期 年間配当 前年比
2022年3月期 28.67円 +10.3%
2023年3月期 30.67円 +7.0%
2024年3月期 32.67円 +6.5%
2025年3月期 36.00円 +10.2%
2026年3月期 54.67円 +51.9%
2027年3月期予想 65.00円 +18.9%
配当成長力は非常に高い。 17年連続増配に加えて、 今期予想も18.9%増配。 配当性向約35%なので、 利益面から見ても無理な増配ではありません。
連続増配 17年
DOE 5.0%以上
配当方針 累進配当
予想配当性向 約35%
注意: 累進配当は現中期経営計画期間中の方針です。 永久的に減配しないことを保証したものではありません。

最新1Q|営業利益+20.7%、通期予想を上方修正

指標 1Q実績 前年同期比 通期進捗
売上高 719.5億円 +16.0% 25.0%
営業利益 111.4億円 +20.7% 22.7%
経常利益 118.5億円 +28.3% 23.5%
純利益 82.3億円 +25.3% 23.5%

半導体関連が大幅回復

AI関連投資を背景に、 半導体製造装置向け高機能製品の売上が 前年同期比42.3%増と大きく伸びました。

さらにプラント向け工事・販売は14.5%増、 工業製品も14.4%増となっています。

評価: 特定の1事業だけではなく、 複数事業が増収となっている点を高く評価できます。
進捗: 上方修正後の営業利益進捗率は22.7%。 極端に悪い水準ではありませんが、 2Q以降も半導体需要の回復が続くか確認が必要です。

通期業績予想を上方修正

指標 2027年3月期予想 評価
売上高 2,880億円 増収予想
営業利益 490億円 前期比+32.4%
経常利益 505億円 高水準
純利益 350億円 増益予想
年間配当 65円 +18.9%
営業利益490億円まで伸びれば、 過去最高益更新が視野に入ります。 利益成長と増配が同時に進んでいる 点は、配当成長株として非常に強い材料です。

5事業分散で景気変動を吸収

プラント向け工事・販売

石油精製、石油化学、電力などへ 断熱材・シール材と保全工事を提供。 常駐体制による継続受注が 安定した収益基盤になります。

工業製品

ガスケット、パッキン、 ふっ素樹脂製品などを幅広い産業へ供給。 交換需要があり、 顧客基盤も分散しています。

高機能製品

半導体・液晶製造装置向け製品。 収益性が高く、 AI・先端半導体投資拡大の恩恵を受ける 成長領域です。

自動車部品

排気系部品などを供給。 EV化への対応や 原材料・人件費の価格転嫁が 中長期のポイントです。

建材

けい酸カルシウム板など 不燃・耐火建材を展開。 防火規制や改修需要が 安定需要につながります。

事業分散

半導体が弱い局面でも プラント・工業製品が利益を支える構造。 単一市場への依存が小さい点は 大きな強みです。

財務安全性はトップクラス

自己資本比率
76.7%
2027/3期1Q
現金・預金
617.1億円
潤沢な流動性
営業CF
134.3億円
1Q累計
フリーCF
約107.8億円
1Q概算

配当を支える財務力

自己資本比率は76.7%と非常に高く、 現預金も617億円超。

1Q営業キャッシュフローも 134.3億円のプラスとなっています。

評価: 財務面から見た減配リスクは低く、 DOE5%・累進配当を支えるだけの バランスシートがあります。

利益の現金化も良好

1Q営業CFは純利益の約1.6倍。

フリーCFも約107.8億円のプラスとなっており、 利益がキャッシュとしてしっかり残っています。

配当と自己株式取得を合わせた還元も 現状ではフリーCFの範囲内。 還元の持続性は高い と判断できます。

重点リスク

半導体設備投資

高機能製品は高収益ですが、 半導体設備投資サイクルの影響を 強く受けます。

バリュエーション

PER約17.5倍、 PBR約2.5倍。 業績成長を一定程度織り込んだ 株価水準です。

期待未達

株価評価が高いため、 好決算でも市場期待を下回れば 株価が調整する可能性があります。

自動車部品

原材料費・人件費の上昇や EV化に対応できるかが 中長期的な課題です。

建材採算

建設市況や原材料価格、 物流費などによって 利益率が変動します。

プラント工事の期ずれ

大型定修・工事案件は 検収時期によって 四半期業績が変動することがあります。

最大のリスクは会社そのものより取得価格。 財務や配当政策には大きな弱点がありません。 現在の高い株価評価で買った場合、 業績が好調でもPER・PBRの調整によって 株価リターンが伸びにくくなる可能性があります。

総合評価レーダー

配当利回り
2/10
配当継続性
30/30
財務安全性
20/20
業績・収益力
18/20
割安度
13/20
評価の核心: 増配・財務・業績は極めて優秀。 総合点が83点にとどまる最大の理由は 現在の配当利回りとバリュエーションです。

年間配当65円から逆算した買い水準

現在 2.01% 3,226円 見送り
2.20% 2,955円 監視
2.32% 2,800円 打診買い
2.50% 2,600円 買い増し
2.77% 2,350円 積極検討
3.00% 2,167円 強い買い場
分割購入案: 2,800円以下で打診。 2,600円前後で買い増し。 2,350円前後まで下がれば、 増配力・財務・収益力を考慮して 積極的に検討できる水準です。

この銘柄で狙う投資シナリオ

① 増配を積み上げる

17年連続増配と DOE5%以上を背景に、 将来の1株配当成長を狙います。

② 半導体回復

AI・先端半導体向け設備投資が拡大すれば、 高収益な高機能製品が 全社利益を押し上げます。

③ 長期取得利回り上昇

現在の利回りは低くても、 増配が続けば取得価格ベースの 配当利回りは年々高まります。

「安い高配当株を買う」のではなく、 「強い企業を適正価格以下で買い、 増配によって将来高配当化する」 のがニチアスの基本戦略です。

最終判断:企業品質はS級。ただし3,226円では追いかけない。

ニチアスは、 17年連続増配、 DOE5%以上、 現中計期間中の累進配当、 自己資本比率76.7%、 営業利益率15%超、 強いキャッシュフロー、 5事業への分散、 という長期配当投資に欲しい要素が 非常に高いレベルでそろっています。

さらに2027年3月期は 半導体関連が回復し、 営業利益は前期比32.4%増を見込むなど、 業績面も強い状態です。

一方、 現在株価3,226円では 予想配当利回り2.01%、 PER約17.5倍、 PBR約2.5倍。

したがって、 「良い会社だから今すぐ買う」 のではなく、 「良い会社を、良い価格まで待って買う」 のが適切です。

買い方 現在は監視。 2,800円以下で打診、 2,600円前後で買い増し、 2,350円前後なら積極検討。
継続確認 半導体設備投資、 高機能製品の売上、 営業利益率、 自動車・建材採算、 DOE・累進配当方針。
情報源・前提
  • 株価・PER・PBR: 2026年8月21日時点の市場データ
  • 業績・財務: 2027年3月期第1四半期決算、 業績予想修正資料
  • 配当政策: ニチアス公式サイトの 経営方針・配当状況
  • 過去配当: 2026年4月1日の 1対3株式分割を調整

ニチアス IR情報 配当状況 経営方針

本資料は2026年8月21日時点の 株価・業績予想・配当予想を基に整理しています。 業績・配当・株価の将来推移を保証するものではありません。 特に半導体設備投資、 高機能製品需要、 原材料価格、 自動車・建材事業の採算、 DOE・累進配当方針については 最新の決算・IR資料をご確認ください。

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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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