INDUSTRIAL MATERIALS REPORT · 2026.08
ニチアス 5393
17年連続増配・DOE5%以上・累進配当 。 半導体、プラント、工業製品、自動車、建材へ事業を分散し、 高収益・強固な財務を持つ 優良配当成長株。
投資判断の要点
ニチアスは、 プラント向け断熱・シール材、 工業製品、 半導体製造装置向け高機能製品、 自動車部品、 建材を展開する産業資材メーカーです。
最大の魅力は、 17年連続増配、 DOE5%以上、 現中期経営計画期間中の累進配当 という非常に強い株主還元方針です。
2027年3月期第1四半期も 売上高16.0%増、 営業利益20.7%増と好調で、 会社は通期業績予想を上方修正しました。
将来高配当化する配当成長株
現在利回りよりも、 高い増配力によって 将来の取得利回りを育てるタイプ。 企業品質はS級ですが、 現在価格の買いやすさはC評価です。
主要投資指標
現在利回り2.01%は3年平均を下回る
現在値の配当利回り
現在の予想配当利回りは約2.01%です。
直近3年間の平均利回り約2.21%も下回っており、 過去の利回り水準と比較しても 現在株価に大きな割安感はありません。
高配当目的なら待ちたい
ニチアスは企業品質が非常に高いため、 必ずしも利回り3%以上でなければ投資できない銘柄ではありません。
現在は「安い高配当株」ではなく、 増配によって将来利回りが高まることを 評価して保有するタイプです。
17年連続増配+DOE5%以上+累進配当
1株配当推移
| 決算期 | 年間配当 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 28.67円 | +10.3% |
| 2023年3月期 | 30.67円 | +7.0% |
| 2024年3月期 | 32.67円 | +6.5% |
| 2025年3月期 | 36.00円 | +10.2% |
| 2026年3月期 | 54.67円 | +51.9% |
| 2027年3月期予想 | 65.00円 | +18.9% |
最新1Q|営業利益+20.7%、通期予想を上方修正
| 指標 | 1Q実績 | 前年同期比 | 通期進捗 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 719.5億円 | +16.0% | 25.0% |
| 営業利益 | 111.4億円 | +20.7% | 22.7% |
| 経常利益 | 118.5億円 | +28.3% | 23.5% |
| 純利益 | 82.3億円 | +25.3% | 23.5% |
半導体関連が大幅回復
AI関連投資を背景に、 半導体製造装置向け高機能製品の売上が 前年同期比42.3%増と大きく伸びました。
さらにプラント向け工事・販売は14.5%増、 工業製品も14.4%増となっています。
通期業績予想を上方修正
| 指標 | 2027年3月期予想 | 評価 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,880億円 | 増収予想 |
| 営業利益 | 490億円 | 前期比+32.4% |
| 経常利益 | 505億円 | 高水準 |
| 純利益 | 350億円 | 増益予想 |
| 年間配当 | 65円 | +18.9% |
5事業分散で景気変動を吸収
プラント向け工事・販売
石油精製、石油化学、電力などへ 断熱材・シール材と保全工事を提供。 常駐体制による継続受注が 安定した収益基盤になります。
工業製品
ガスケット、パッキン、 ふっ素樹脂製品などを幅広い産業へ供給。 交換需要があり、 顧客基盤も分散しています。
高機能製品
半導体・液晶製造装置向け製品。 収益性が高く、 AI・先端半導体投資拡大の恩恵を受ける 成長領域です。
自動車部品
排気系部品などを供給。 EV化への対応や 原材料・人件費の価格転嫁が 中長期のポイントです。
建材
けい酸カルシウム板など 不燃・耐火建材を展開。 防火規制や改修需要が 安定需要につながります。
事業分散
半導体が弱い局面でも プラント・工業製品が利益を支える構造。 単一市場への依存が小さい点は 大きな強みです。
財務安全性はトップクラス
配当を支える財務力
自己資本比率は76.7%と非常に高く、 現預金も617億円超。
1Q営業キャッシュフローも 134.3億円のプラスとなっています。
利益の現金化も良好
1Q営業CFは純利益の約1.6倍。
フリーCFも約107.8億円のプラスとなっており、 利益がキャッシュとしてしっかり残っています。
重点リスク
半導体設備投資
高機能製品は高収益ですが、 半導体設備投資サイクルの影響を 強く受けます。
バリュエーション
PER約17.5倍、 PBR約2.5倍。 業績成長を一定程度織り込んだ 株価水準です。
期待未達
株価評価が高いため、 好決算でも市場期待を下回れば 株価が調整する可能性があります。
自動車部品
原材料費・人件費の上昇や EV化に対応できるかが 中長期的な課題です。
建材採算
建設市況や原材料価格、 物流費などによって 利益率が変動します。
プラント工事の期ずれ
大型定修・工事案件は 検収時期によって 四半期業績が変動することがあります。
総合評価レーダー
年間配当65円から逆算した買い水準
この銘柄で狙う投資シナリオ
① 増配を積み上げる
17年連続増配と DOE5%以上を背景に、 将来の1株配当成長を狙います。
② 半導体回復
AI・先端半導体向け設備投資が拡大すれば、 高収益な高機能製品が 全社利益を押し上げます。
③ 長期取得利回り上昇
現在の利回りは低くても、 増配が続けば取得価格ベースの 配当利回りは年々高まります。
最終判断:企業品質はS級。ただし3,226円では追いかけない。
ニチアスは、
17年連続増配、
DOE5%以上、
現中計期間中の累進配当、
自己資本比率76.7%、
営業利益率15%超、
強いキャッシュフロー、
5事業への分散、
という長期配当投資に欲しい要素が
非常に高いレベルでそろっています。
さらに2027年3月期は
半導体関連が回復し、
営業利益は前期比32.4%増を見込むなど、
業績面も強い状態です。
一方、
現在株価3,226円では
予想配当利回り2.01%、
PER約17.5倍、
PBR約2.5倍。
したがって、
「良い会社だから今すぐ買う」
のではなく、
「良い会社を、良い価格まで待って買う」
のが適切です。
- 株価・PER・PBR: 2026年8月21日時点の市場データ
- 業績・財務: 2027年3月期第1四半期決算、 業績予想修正資料
- 配当政策: ニチアス公式サイトの 経営方針・配当状況
- 過去配当: 2026年4月1日の 1対3株式分割を調整








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