IT SERVICE & DIVIDEND QUALITY REPORT · 2026.09
東計電算 4746
13期連続増配予想・営業利益率30%超・自己資本比率79.6% 。 高収益な情報処理・ソフトウェア開発事業を持つ一方、 2026年の配当急増には 保有有価証券の売却益という特殊要因 があります。
投資判断の要点
東計電算は、 情報処理・ソフトウェア開発を主力とする 高収益ITサービス企業です。
現在の数字だけを見ると、 予想利回り6.73%、 13期連続増配予想、 PER約14.84倍、 自己資本比率79.6% と、極めて魅力的に見えます。
会社は優良。配当の「質」を厳しく評価。
高収益IT企業として魅力的ですが、 2026年の巨大配当だけを見て買うと 翌期の配当水準で評価が大きく変わる可能性があります。
主要投資指標
最大の論点|6.73%の持続性
会社は2026年8月~12月に 保有上場株式を売却し、 約43億円の有価証券売却益 を計上する見込みです。
それに伴い、 年間配当予想を 173円 → 476.50円相当 へ大幅に引き上げました。
配当は3つの数字を分けて見る
| 見方 | 分割前1株換算 | 現在株価比 |
|---|---|---|
| 今期年間配当予想 | 476.50円 | 6.73% |
| 今から取得できる今期期末配当 | 390円相当 | 5.51% |
| 旧年間予想を使った比較シナリオ | 173円 | 2.44% |
増配実績そのものは非常に優秀
分割調整後・年間配当
| 決算期 | 年間配当 |
|---|---|
| 2020年12月期 | 62.50円 |
| 2021年12月期 | 80円 |
| 2022年12月期 | 95円 |
| 2023年12月期 | 110円 |
| 2024年12月期 | 125円 |
| 2025年12月期 | 173円 |
| 2026年12月期予想 | 476.50円相当 |
過去3期利回りとの比較
| 決算期 | 期末配当利回り |
|---|---|
| 2023年12月期 | 3.18% |
| 2024年12月期 | 2.98% |
| 2025年12月期 | 4.28% |
| 3期平均 | 約3.48% |
| 現在・今期476.50円 | 6.73% |
表面上は 過去平均を大きく上回っています。
本業は増収・2桁増益で好調
| 項目 | 2026年中間実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 108.03億円 | +9.6% |
| 営業利益 | 33.30億円 | +12.3% |
| 経常利益 | 39.66億円 | +14.4% |
| 純利益 | 29.27億円 | +17.3% |
通期業績|本業と売却益を分ける
自己資本比率79.6%|財務は非常に強い
総資産の約82%を占める投資有価証券
投資有価証券は 総資産に対して非常に大きな割合を占めています。
この資産構成が意味すること
- 保有株価下落で純資産が変動する
- 売却益で純利益が大きく動く
- 売却後は受取配当金が減る可能性がある
2026年10月1日に1株→4株へ分割
分割前
現在値を単純換算した分割後
PER14.84倍も売却益で低く見えている
訂正後EPSベース
上方修正前EPSベース
重点リスク
476.50円の反動
今期の大型配当が翌期も続く保証はありません。
配当性向約100%
今期予想では利益のほぼ全額を配当に回す計算です。
DOE下限なし
長い増配実績はありますが、制度上の配当下限は確認できません。
有価証券価格
保有株式価格の変動が純資産へ大きく影響します。
売却益依存
利益・配当が資産売却タイミングで大きく変動する可能性があります。
受取配当減少
株式売却後は、保有株から受け取っていた配当収入が減る可能性があります。
PBR2.20倍
財務が強い一方、純資産倍率では割安株ではありません。
権利落ち
大型期末配当の権利落ちで株価が調整する可能性があります。
来期配当不透明
173円は来期予想でも最低配当でもありません。
100点評価
| 評価項目 | 得点 | 評価理由 |
|---|---|---|
| 配当利回り・持続性 | 8/10 | 6.73%だが特殊な大型還元 |
| 増配・非減配 | 27/30 | 13期連続増配予想。ただし制度的下限なし |
| 財務健全性 | 19/20 | 自己資本比率79.6% |
| 業績・成長性 | 18/20 | 本業は増収・2桁増益、営業利益率30%超 |
| バリュエーション | 11/20 | 表面PERは売却益で低く見える |
| 合計 | 83/100 | 優良企業だが、配当の持続性確認が必要 |
長期買い水準は旧予想173円も参考にする
476.50円は今期固有の大型還元色が強いため、 長期配当目的の価格判断では、 旧予想173円を比較シナリオとして使用します。
| 分割前株価 | 分割後換算 | 173円基準利回り | 判断 |
|---|---|---|---|
| 7,080円 | 1,770円 | 2.44% | 現在は慎重 |
| 6,000円 | 1,500円 | 2.88% | 再評価 |
| 5,750円 | 1,437.50円 | 3.01% | 打診検討 |
| 5,000円 | 1,250円 | 3.46% | 買いやすい |
分割購入の考え方
① 現在値
表示利回り6.73%だけを理由に 追いかけない。 大型期末配当と権利落ちの両方を意識します。
② 5,700~5,800円
旧173円基準でも利回り約3%。 本業成長が維持されていれば 打診を検討しやすくなります。
③ 来期配当確認後
株式売却後に どの程度の年間配当を維持するのか確認。 長期投資では最も確実な判断材料です。
最終判断:83点。6.73%ではなく「売却後に残る利益と配当」を買う。
東計電算は、
13期連続増配予想、
営業利益率約30.8%、
自己資本比率79.6%、
情報処理・ソフトウェア開発の高収益性、
本業の増収・2桁増益、
という非常に優れた特徴を持っています。
企業そのものは、
高収益・高財務・長期増配を備えた
魅力的な会社です。
一方で、
今期年間配当476.50円、
予想利回り6.73%、
予想配当性向約99.9%、
という数字には、
約43億円の有価証券売却益を株主へ還元する
特殊要因
が大きく影響しています。
さらに、
中間86.50円はすでに権利確定済みであり、
今から購入して今期中に取得できる予定配当は
分割前換算390円です。
したがって、
「6.73%だから買う」のではなく、
有価証券売却後に本業利益・受取配当・年間配当が
どこへ着地するかを確認する
ことが重要です。
私なら、
現在7,080円では優先度を抑え、
5,700~5,800円前後まで調整すれば再評価。
それ以上に重要なのは、
2027年12月期の配当方針を確認すること
と判断します。
ランキングでの位置づけ
東計電算は、 「高収益IT・長期増配・超健全財務」 という企業品質では かなり上位に入る銘柄です。
本業品質
営業利益率30%超。 情報処理・ソフトウェア開発事業の 収益力は非常に高いです。
財務・増配
自己資本比率79.6%、 13期連続増配予想。 企業の基礎体力は強力です。
現在の最大の弱点
476.50円の大幅配当が 一時的な株式売却益に大きく依存。 恒常利回りが読みにくい状態です。
- 株価:2026年9月3日終値 7,080円
- 2026年12月期年間配当予想:476.50円相当
- 今期中間配当:86.50円
- 今期期末配当予想:分割後97.50円、分割前換算390円
- 旧年間配当予想173円は比較用であり、来期予想・下限ではない
- 訂正後予想EPS:分割前換算477.20円
- 予想配当性向:約99.9%
- 自己資本比率:79.6%
- 投資有価証券:約593.81億円
- 2026年10月1日:1株→4株へ株式分割
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