TELECOM & DIVIDEND GROWTH REPORT · 2026.09
KDDI 9433
25期連続増配予想・配当性向42.8%・1Q調整後利益+21.6% 。 通信を基盤に、 金融、法人DX、データセンター、ローソンとの連携まで広げる 長期増配型の総合通信企業。
投資判断の要点
KDDIは、 auを中心とした通信事業を基盤に、 金融、法人向けクラウド、AI、データセンター、 ローソン・Pontaとの連携まで事業領域を広げています。
現在は、 25期連続増配予想、 配当性向42.8%、 1Q調整後営業利益+21.1% と、 長期配当株として魅力的な条件が揃っています。
増配力は最上位級。価格とガバナンスを慎重に評価。
長期保有には向いていますが、 現在値で年間配当を増やす目的の 新規投資優先度は高くありません。
主要投資指標
25期連続増配予想
分割調整後の年間配当
| 決算期 | 年間配当 | 増減 |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 57.5円 | ― |
| 2021年3月期 | 60円 | +2.5円 |
| 2022年3月期 | 62.5円 | +2.5円 |
| 2023年3月期 | 67.5円 | +5円 |
| 2024年3月期 | 70円 | +2.5円 |
| 2025年3月期 | 72.5円 | +2.5円 |
| 2026年3月期 | 80円 | +7.5円 |
| 2027年3月期予想 | 84円 | +4円 |
安定増配+配当性向40%超
事業成長に応じた安定増配
KDDIは、 利益成長と連動した 安定的な増配を重視しています。
連結配当性向についても、 40%超を維持 する方針です。
DOEによる配当下限ではない
確認した還元方針では、 DOE○%以上という 明確な数値下限はありません。
最大3,000億円の自己株式取得
取得上限
最大 3,000億円 の自己株式取得を発表しています。
公開買付け
うち最大 2,500億円 は公開買付け枠です。
1株価値向上
株数減少により、 EPSや1株当たり企業価値の向上につながります。
現在利回り2.81%は過去平均を下回る
| 決算期 | 期末配当利回り |
|---|---|
| 2024年3月期 | 3.12% |
| 2025年3月期 | 3.07% |
| 2026年3月期 | 2.94% |
| 3期平均 | 約3.04% |
| 現在 | 2.81% |
現在利回りは、 過去3期平均より低い水準です。
年間84円配当なら、 利回り3%となる価格は 2,800円です。
最新1Q|全セグメント増収・利益も大幅増
| 項目 | 第1四半期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆4,873億円 | +5.1% |
| 調整後営業利益 | 3,143億円 | +21.1% |
| 親会社帰属・調整後利益 | 1,934億円 | +21.6% |
| 調整後営業利益率 | 21.1% | +2.8pt |
通期業績予想
通信以外の成長ドライバー
法人DX
クラウド、ネットワーク、 セキュリティなど企業向けサービスを伸ばしています。
AI・データセンター
生成AI・クラウド需要を背景に、 データセンター関連投資を拡大しています。
ローソン
店舗・通信・金融・Pontaを組み合わせた 経済圏強化を狙っています。
Pontaパス
通信契約以外の接点を増やし、 顧客単価と継続率向上を狙います。
金融
銀行・決済・保険などを通じて 通信顧客とのクロスセルを進めます。
通信基盤
auの大規模契約基盤が、 継続的なキャッシュ創出力を支えます。
最大の注意点|ガバナンス問題
ビッグローブとジー・プランの広告代理事業における 不適切取引について、 KDDIは2026年3月に調査結果を公表しました。
| 累計影響 | 金額 |
|---|---|
| 売上高の減少修正 | 2,461億円 |
| 営業利益の減少修正 | 1,508億円 |
| 上記に含まれる外部流出額 | 329億円 |
情報漏えいリスクも継続確認
メールシステムへの不正アクセス
別途、 メールシステムへの不正アクセス・情報漏えいも発生しています。
再発防止策
取引先管理、 資金管理、 セキュリティ対策などを強化しています。
財務は通信と金融を分けて見る
株主優待|200株・1年以上から
200株以上・1年以上5年未満
2,000円相当
Pontaポイントや ローソン・成城石井の商品セットなどから選択。
200株以上・5年以上
3,000円相当
長期保有で優待額が増えます。
| 内容 | 利回り |
|---|---|
| 配当のみ | 2.81% |
| 配当+2,000円優待 | 約3.15% |
| 配当+3,000円優待 | 約3.32% |
重点リスク
ガバナンス
子会社の不適切取引に対する再発防止策の実効性を確認します。
情報漏えい
顧客情報を大量に扱う通信会社としてサイバー対策は重要です。
通信料金競争
料金競争や顧客獲得費用が利益率を圧迫する可能性があります。
設備投資
5G・AI・データセンター等への大型投資が必要です。
金融事業
金利・市場評価・預金獲得コスト等で利益が変動します。
ローソン投資
連携効果が期待を下回れば投資効率が低下します。
PBR2.22倍
資産面で割安な通信株ではありません。
利回り2.81%
現在は過去3期平均を下回っています。
DOE下限なし
25期増配実績は強いものの制度上の配当下限はありません。
100点評価
| 評価項目 | 得点 | 評価理由 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 6/10 | 2.81%で3%基準未達 |
| 増配・非減配 | 30/30 | 25期連続増配予想 |
| 財務健全性 | 17/20 | 収益基盤は強いが投資・金融負債管理が必要 |
| 業績・成長性 | 18/20 | 1Q好調。ただし統制問題を考慮 |
| バリュエーション | 14/20 | PER15倍台、利回りは過去平均以下 |
| 合計 | 85/100 | 長期増配候補・新規購入は価格重視 |
年間配当84円から逆算した買い水準
2,986円:急がない
2,800円:打診買い
2,625円前後:買いやすい
2,400円前後:積極買い
2,100円前後:悪材料を確認して強い買い場
分割購入の考え方
① 2,800円前後
利回り3%、 PER14倍台。 最初の購入検討ラインです。
② 2,600円前後
利回り3.2%台。 長期増配力と価格の バランスが良くなります。
③ 2,400円前後
利回り3.5%。 業績・ガバナンスに問題がなければ 積極買い候補です。
最終判断:85点。25期増配は魅力だが、現在値では配当目的の新規購入を急がない。
KDDIは、
25期連続増配予想、
年間84円配当、
配当性向42.8%、
1Q調整後営業利益+21.1%、
調整後利益+21.6%、
通信の継続課金収益、
法人DX、
AI・データセンター、
ローソン・Ponta連携、
最大3,000億円の自己株式取得、
という魅力を持っています。
特に、
25年間近く配当を増やし続けてきた実績
は国内大型株の中でも非常に強力です。
一方で、
現在利回り2.81%、
3期平均3.04%を下回ること、
調整後PER15.21倍、
PBR2.22倍、
子会社の不適切取引、
情報漏えい問題、
大型設備投資、
DOE下限なし、
という注意点があります。
したがって、
現在2,986円では追わず、
2,800円で打診、
2,600円台で通常購入、
2,400円前後なら業績・ガバナンスを確認して積極購入
という判断です。
ランキングでの位置づけ
KDDIは、 「超長期増配・安定通信・成長投資」 という企業品質では かなり上位に入る銘柄です。
増配力
25期連続増配予想。 長期配当株としての実績は 最上位級です。
事業基盤
通信の安定収益に 金融・法人DX・AI・ローソンを加えています。
現在の弱点
利回り2.81%、 PER15倍台、 ガバナンス問題。 価格と企業統制の両方を慎重に見ます。
- 株価:2026年9月2日終値 2,986円
- 2027年3月期年間配当予想:84円
- 会社予想・調整後EPS:196.29円
- 予想配当性向:約42.8%
- 24期連続増配実績・25期連続増配予想
- 親会社所有者帰属持分比率:27.2%
- 最新業績:2027年3月期第1四半期
- 株主優待:200株以上・継続保有条件あり
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