HIGH DIVIDEND & CONSUMER FINANCE REPORT · 2026.09
ジャックス 8584
利回り5.33%・DOE3%または配当性向40%の高い方・PBR0.56倍 。 高配当株として魅力的な一方、 今期純利益100億円予想・配当性向89.6% と業績面には明確な注意点があります。
投資判断の要点
ジャックスは、 オートローン、ショッピングクレジット、 クレジットカード、家賃保証、 住宅ローン保証、決済サービス、 海外コンシューマーファイナンスを展開する MUFG系の大手信販会社です。
現在の投資妙味は、 利回り5.33%・DOE3%・PBR0.56倍 という高還元と低PBRです。
配当利回りは魅力。業績回復の確度が評価の分かれ目。
現在値でも打診可能ですが、 高配当だけで大量購入するより2Q以降の底打ち確認を重視します。
主要投資指標
配当は高いが、連続増配株ではない
年間配当推移
| 決算期 | 年間配当 | 評価 |
|---|---|---|
| 2021年3月期 | 105円 | ― |
| 2022年3月期 | 160円 | 増配 |
| 2023年3月期 | 190円 | 増配 |
| 2024年3月期 | 220円 | 記念配当10円含む |
| 2025年3月期 | 190円 | 実質減配 |
| 2026年3月期 | 200円 | 増配 |
| 2027年3月期予想 | 200円 | 据え置き |
予想配当性向89.6%
2027年3月期予想
評価
一般的な利益基準だけなら、 かなり高い配当性向です。
| 決算期 | 配当性向 |
|---|---|
| 2022年3月期 | 30.2% |
| 2023年3月期 | 30.4% |
| 2024年3月期 | 32.1% |
| 2025年3月期 | 35.4% |
| 2026年3月期 | 52.6% |
| 2027年3月期予想 | 約89.6% |
DOE3%が200円配当の下支え
現在の配当政策は、 DOE3.0%または配当性向40%を目安に、いずれか高い方 です。
利回り5.33%|過去平均より明確に高い
| 決算期 | 配当 | 期末株価 | 利回り |
|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 220円 | 約5,580円 | 3.94% |
| 2025年3月期 | 190円 | 3,905円 | 4.87% |
| 2026年3月期 | 200円 | 4,005円 | 4.99% |
| 3期平均 | ― | ― | 約4.60% |
| 現在 | 200円 | 3,750円 | 5.33% |
最新1Q|前年比減益でも上期計画を超過
| 項目 | 1Q実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 約492億円 | +3.3% |
| 営業利益 | 約60億円 | ▲4.1% |
| 経常利益 | 60.6億円 | ▲3.8% |
| 純利益 | 41.63億円 | ▲5.7% |
通期予想は大幅減益
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期計画 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 1,923億円 | 1,920億円 |
| 経常利益 | 202億円 | 110億円 |
| 純利益 | 153億円 | 100億円 |
利益が落ちている3つの理由
① 金利上昇
市場金利上昇で資金調達コストが増え、オートローンなどの利ざやを圧迫します。
② システム投資
データセンターなどのシステム関連費用増加が短期利益を押し下げています。
③ インドネシア
海外事業、とくにインドネシアの業績回復が当初想定より遅れています。
MUFG系+オートローンが強み
オートローン
販売店ネットワークを活用した信用販売が大きな競争力です。
ショッピングクレジット
カードだけでなく加盟店経由の分割払い需要も取り込みます。
クレジットカード
決済収益と会員基盤を持つ消費者向け金融事業です。
家賃保証
住宅分野の保証サービスで信用供与領域を拡大しています。
住宅ローン保証
金融機関との関係を活かし保証サービスを展開しています。
MUFG
三菱UFJ銀行が約39.4%を保有する筆頭株主で、金融基盤に強みがあります。
ASEAN成長期待はあるが、まだ課題も大きい
ベトナム
消費者金融市場の成長を取り込む拠点です。
インドネシア
市場規模は大きい一方、現状は業績回復の遅れが課題です。
フィリピン
若年人口の多い市場で中長期成長を狙います。
カンボジア
ASEANの信用販売需要を取り込む地域です。
マレーシア
Carsome Capitalへ49%出資し、自動車金融領域を拡大しています。
シンガポール
CAR TIMES CAPITALへ49%出資し、域内事業を広げています。
自己資本比率7.9%は金融業として見る
資産面では割安、利益面ではそれほど安くない
PBR
PER
重点リスク
金利上昇
資金調達コスト増加が直接利益を圧迫します。
利ざや縮小
オートローン等で調達金利上昇を十分転嫁できない場合に収益性が低下します。
信用コスト
景気悪化で貸倒・延滞が増えると利益を押し下げます。
インドネシア
回復遅れが中計下方修正の一因になっています。
海外M&A
出資先の採算悪化や減損が発生する可能性があります。
システム費用
大型IT投資が短期的な利益を圧迫します。
国内消費
個人消費悪化は信用販売・カード利用へ影響します。
自動車販売
新車・中古車市場の弱さはオートローン需要へ影響します。
配当性向89.6%
DOEが支えているとはいえ、利益余力はかなり小さくなっています。
100点評価
| 評価項目 | 得点 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 10/10 | 5.33%、過去3期平均を上回る |
| 増配・非減配 | 20/30 | DOE3%は強いが2025年3月期に実質減配 |
| 財務健全性 | 16/20 | 金融業として一定の健全性、MUFG基盤あり |
| 業績・成長性 | 15/20 | 1Q進捗は良好だが中計を大幅下方修正 |
| バリュエーション | 19/20 | PBR0.56倍・利回り5.33%は魅力 |
| 合計 | 80/100 | A評価・高配当目的なら打診可能 |
年間200円配当から逆算した買い水準
分割購入の考え方
① 3,700~3,800円
S株または予定額の一部で打診。 現時点でも5%超を確保できます。
② 3,500~3,600円
利回り5.5~5.7%。 100株購入を検討しやすいゾーンです。
③ 3,300円前後
利回り約6%。 2Qで業績悪化がなければ積極購入候補です。
最終判断:80点・A評価。現在値でも高配当目的なら打診可能。ただし業績回復確認前の集中投資は避ける。
ジャックスは、
年間200円配当、
予想利回り5.33%、
DOE3%または配当性向40%の高い方、
PBR0.56倍、
BPS6,693円、
MUFGとの強い関係、
オートローン事業の競争力、
1Q経常利益60.6億円、
1Qだけで上期経常利益計画を101%超消化、
という魅力を持っています。
特に、
DOE3%をBPSに掛けると約201円となり、
現在の200円配当に一定の根拠がある
点は非常に重要です。
一方で、
予想配当性向89.6%、
2025年3月期の実質減配、
今期経常利益110億円予想、
今期純利益100億円予想、
中期経営計画の大幅下方修正、
金利上昇、
システム費用増加、
インドネシア事業の回復遅れ、
信用コスト、
PER16.79倍、
という明確なリスクがあります。
したがって、
現在3,750円でもS株~少額で打診可能。
3,600円以下で買いやすく、
3,500円前後で通常購入、
3,333円で利回り6%なら2Qを確認して積極購入
という判断です。
配当株ランキングでの位置づけ
ジャックスは、 「現在の高利回り」と「利益正常化による再評価余地」 を狙うタイプです。
現在利回り
5.33%。 今から配当額を増やすという目的には非常に効率的です。
配当防御力
DOE3%が現在200円配当の下支えとして機能しています。
最大の弱点
配当性向89.6%と大幅減益予想。 利益回復を確認せず大量購入する銘柄ではありません。
- 株価:2026年9月4日終値 3,750円
- 2027年3月期年間配当予想:200円
- 予想配当利回り:5.33%
- 予想PER:16.79倍
- 実績PBR:0.56倍
- 予想EPS:223.33円
- 予想配当性向:約89.6%
- 配当方針:DOE3.0%または配当性向40%の高い方
- 自己資本比率:7.9%
- BPS:6,693.17円
- 2027年3月期1Q経常利益:60.6億円、▲3.8%
- 2027年3月期1Q純利益:41.63億円、▲5.7%
- 2027年3月期純利益計画:100億円
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