TRADING COMPANY GROWTH & DIVIDEND REPORT · 2026.09
丸紅 8002
累進配当・6期連続増配予想・実態純利益+38.3%・追加1,000億円自社株買い 。 利益成長と株主還元は魅力的な一方、 現在利回り2.27%では高配当目的の新規購入を急がない銘柄です。
投資判断の要点
丸紅は、 金属・エネルギー・電力・化学品・食料・航空機など、 幅広い事業を展開する総合商社です。
現在の強みは、 累進配当・6期連続増配予想・配当性向約32%・実態利益の成長・自社株買い です。
企業成長は評価。配当投資では株価待ち。
今すぐ高い配当収入を得る銘柄というより、 成長と増配を長期で取りにいくタイプです。
主要投資指標
6期連続増配予想
年間配当推移
| 決算期 | 年間配当 | 増減 |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 35円 | ― |
| 2021年3月期 | 33円 | ▲2円 |
| 2022年3月期 | 62円 | +29円 |
| 2023年3月期 | 78円 | +16円 |
| 2024年3月期 | 85円 | +7円 |
| 2025年3月期 | 95円 | +10円 |
| 2026年3月期 | 107.5円 | +12.5円 |
| 2027年3月期予想 | 115円 | +7.5円 |
GC2027期間では累進配当
中期経営戦略「GC2027」期間では、 利益成長に応じた 累進配当 を継続する方針です。
現在利回り2.27%は過去平均を大きく下回る
| 決算期 | 期末配当利回り |
|---|---|
| 2024年3月期 | 3.23% |
| 2025年3月期 | 3.99% |
| 2026年3月期 | 1.91% |
| 3期平均 | 3.04% |
| 現在・予想 | 2.27% |
現在利回りは、 直近3期末の単純平均を 0.77ポイント下回っています。
最新1Q|収益・利益とも大幅成長
| 項目 | 1Q実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 収益 | 2兆6,092億円 | +20.6% |
| 営業利益 | 1,321億円 | +54.7% |
| 親会社帰属利益 | 1,864億円 | +20.7% |
| 実態純利益 | 約1,770億円 | 約+38.3% |
利益の質|実態利益も伸びている
会計上の純利益
親会社帰属利益も2桁増益です。
実態純利益
一過性損益等を調整した会社独自指標でも 利益が伸びています。
主な成長源
銅
資源価格や権益価値の上昇が利益に寄与します。
原料炭
資源市況の改善時には大きな利益貢献が期待できます。
アルミ
金属関連の市況と需要拡大を取り込みます。
化学品
素材・化学関連で非資源寄りの利益基盤を持ちます。
航空機
航空需要回復や関連事業の改善が成長要因となります。
電力・インフラ
長期案件を通じ、資源以外にも収益源を持ちます。
追加1,000億円の自社株買い
成長投資と株主還元を同時に拡大
| 資本配分 | 従来計画 | 見直し後 |
|---|---|---|
| 新規投資・設備投資等 | 1兆7,000億円 | 1兆9,500億円 |
| 株主還元総額 | 7,000億円 | 9,000億円 |
資源と非資源を組み合わせた事業基盤
金属
銅・アルミ・原料炭など、資源市況の恩恵を受ける事業を持ちます。
エネルギー
石油・ガス・電力など世界需要を取り込む事業があります。
食料
生活に近い需要を取り込み、資源以外の収益源となります。
化学品
素材・化学分野でも幅広い商流と投資事業を展開します。
航空機
航空需要や関連サービスの回復・成長を取り込みます。
電力・インフラ
長期案件を通じ、比較的安定した収益機会を持ちます。
重点リスク
資源価格
銅・原料炭・エネルギー市況の悪化は利益を押し下げます。
円高
海外利益の円換算額減少や為替追い風の剥落につながります。
大型投資
1兆9,500億円規模の投資計画では案件選別が重要になります。
減損
海外投資や資源案件で大型減損が発生する可能性があります。
借入活用
投資と還元を同時に増やすため、財務負担の上昇に注意します。
PBR1.85倍
資産面で割安な商社株とは言いにくい水準です。
利回り2.27%
高配当目的では現在の資金効率が高くありません。
市況依存
実態利益が伸びても為替・市況の追い風を含む点には注意します。
商社重複
他の総合商社を保有している場合、似た資源・為替リスクが重なります。
100点評価
| 評価項目 | 得点 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 5/10 | 2.27%で3%基準未達 |
| 増配・非減配 | 27/30 | 6期連続増配予想・累進配当 |
| 財務健全性 | 17/20 | 一定の財務力。ただし投資・還元拡大で負債も確認 |
| 業績・成長性 | 19/20 | 実態純利益も大幅増益 |
| バリュエーション | 13/20 | PER14倍台だがPBR1.85倍・利回り低め |
| 合計 | 81/100 | 成長・累進配当株。高配当目的では価格待ち |
年間115円配当から逆算した買い水準
分割購入の考え方
① 4,000~4,200円
利回り2.7~2.9%台。 企業成長も評価するなら監視を強める水準です。
② 3,700~3,850円
利回り約3%。 配当基準を満たし、最初の打診を検討しやすくなります。
③ 3,300~3,600円
利回り3.2~3.5%。 業績・資源市況に問題がなければ購入優先度を上げたいゾーンです。
最終判断:81点。累進配当・成長・自社株買いは魅力だが、現在5,073円は高配当目的では待ち。
丸紅は、
年間115円配当、
累進配当、
6期連続増配予想、
配当性向約32%、
PER14.28倍、
ROE13.61%、
1Q実態純利益約1,770億円・+38.3%、
追加1,000億円自社株買い、
株主還元総額9,000億円へ拡大、
新規投資・設備投資等1兆9,500億円、
という魅力を持っています。
特に、
利益成長と株主還元を同時に拡大している点
は高く評価できます。
また、
会計上の純利益だけでなく、
会社が一過性要因を調整した実態純利益も伸びているため、
足元の決算内容は強いです。
一方で、
現在利回り2.27%、
過去3期平均利回り3.04%を大きく下回ること、
PBR1.85倍、
資源価格・為替の影響、
積極投資と株主還元のため借入も柔軟に活用すること、
という注意点があります。
したがって、
現在5,073円では配当目的では待ち。
4,100円前後から監視を強め、
3,833円前後で利回り3%となれば打診、
3,500円台なら買いやすく、
3,300円前後なら業績維持を確認して積極購入
という判断です。
総合商社の中での位置づけ
丸紅は、 「利益成長・累進配当・積極投資・自社株買い」 を組み合わせた、 成長色の強い総合商社です。
業績
1Q実態純利益+38.3%。 足元の収益成長は非常に強い内容です。
還元
累進配当に加え、 追加1,000億円の自社株買い。 還元姿勢は強いです。
現在の弱点
利回り2.27%・PBR1.85倍。 高配当投資としては株価にかなり期待が織り込まれています。
- 株価:2026年9月4日終値 5,073円
- 2027年3月期年間配当予想:115円
- 予想配当利回り:2.27%
- 予想PER:14.28倍
- 予想配当性向:約32%
- 5期連続増配実績・6期連続増配予想
- 自己資本比率相当:42.3%
- ROE:13.61%
- GC2027期間:累進配当
- 1Q実態純利益:約1,770億円
- 追加自社株買い:上限1,000億円
- 株主還元総額:9,000億円へ見直し
- 新規投資・設備投資等:1兆9,500億円へ見直し
Yahoo!ファイナンス 株価・指標 / 丸紅 2027年3月期 第1四半期決算短信 / Yahoo!ファイナンス 配当履歴 / 有価証券報告書・配当政策 / IRBANK 配当利回り推移 / 丸紅 第1四半期決算説明資料・資本配分見直し / 丸紅 公式株主還元情報



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