三井物産(8031)

三井物産(8031)投資分析

GLOBAL TRADING & SHAREHOLDER RETURN REPORT · 2026.09

三井物産 8031

140円以上の累進配当・7期連続増配予想・2,000億円自社株買い 。 金属資源・エネルギーを核に、 モビリティ、インフラ、化学品、ヘルスケアなどへ広がる 国内トップクラスの総合商社

株価 5,019円 利回り 2.79% 年間配当 140円 累進配当 7期連続増配予想 PER 15.47倍
84点/100点。買いたい会社だが、配当目的ならもう一段待ちたい。 140円以上の累進配当、大幅増配、基礎営業CFの伸び、 2,000億円自社株買いは魅力。 一方、現在利回り2.79%、PER15.47倍で、 利回り3%・PER15倍以下を同時に満たすには 4,650円前後までの調整を待ちたい銘柄です。
目次

投資判断の要点

三井物産は、 鉄鉱石・原油・LNGなどの資源事業を柱に、 モビリティ、インフラ、化学品、 生活産業、ヘルスケアなどへ 事業を広げる総合商社です。

現在は、 年間140円以上の累進配当、 7期連続増配予想、 基礎営業CF2,809億円、 2,000億円自社株買い と、 株主還元面で強い材料が揃っています。

強み: 140円以上の累進配当、 大幅増配、 基礎営業キャッシュフローの成長、 高い資源競争力、 2,000億円自社株買い、 ネットDER0.49倍。
現在の弱点: 利回り2.79%、 PER15.47倍。 会社は魅力的でも、 配当目的では価格面の安全余裕がまだ小さい 状態です。
84 100点満点

企業品質と株価を分けて評価。

累進配当や還元姿勢は高評価ですが、 現在価格で年間配当収入を増やす優先順位は 上位高利回り銘柄より低めです。

主要投資指標

株価
5,019円
2026年9月4日終値
年間配当
140円
会社予想
配当利回り
2.79%
3%基準未達
予想PER
15.47倍
EPS324.54円
PBR
1.58倍
1倍超
配当性向
43.1%
50%以下
ネットDER
0.49倍
2026年6月末
最低投資額
501,900円
100株

115円 → 140円へ21.7%増配

分割調整後の年間配当

40
20/3
42.5
21/3
52.5
22/3
70
23/3
85
24/3
100
25/3
115
26/3
140
27/3予
決算期 年間配当 増減
2020年3月期 40円
2021年3月期 42.5円 +2.5円
2022年3月期 52.5円 +10円
2023年3月期 70円 +17.5円
2024年3月期 85円 +15円
2025年3月期 100円 +15円
2026年3月期 115円 +15円
2027年3月期予想 140円 +25円
今期は115円から140円へ、 約21.7%の大幅増配 です。
予想どおりなら 7期連続増配・10期連続非減配 となります。
一方、 2017年3月期には 32円から27.5円へ減配した実績があります。 過去から一度も減配していない会社ではありません。

中計期間中は140円以上の累進配当

配当方針 累進配当
配当下限 140円以上
還元比率目標 基礎営業CFの50%超
DOE下限 設定なし

140円という「金額」を明示

中期経営計画2029の期間中は、 年間140円以上の累進配当 を掲げています。

単なる配当性向目標よりも、 最低配当額のイメージが明確 な点は長期配当投資では評価できます。

50%超は「配当性向」ではない

会社が掲げる50%超は、 基礎営業キャッシュフローに対する株主還元割合 です。

配当だけでなく、 自社株買いも含む指標です。

「純利益の50%以上を必ず配当する」 という意味ではありません。
140円以上の累進配当も、 中期経営計画2029終了後まで 同条件が永久保証されるわけではありません。

最新1Q|純利益+53.4%

項目 第1四半期実績 前年同期比
収益 4兆3,476億円 +31.7%
税引前利益 3,622億円 +54.6%
親会社帰属利益 2,941億円 +53.4%
基礎営業CF 2,809億円 +29.9%
2,941億円 ÷ 9,200億円 = 進捗率 約32.0%
通期純利益9,200億円に対する進捗率は約32%。 数字上は非常に順調 です。
ただし、 純利益の増加には 米国不動産事業のCIM Group再編に伴う利益 も含まれています。 53.4%増をそのまま恒常的な成長率とは見ません。

基礎営業CFと実際の営業CFは別物

基礎営業キャッシュフロー

2,809億円 +29.9%

運転資本の増減などを調整した、 会社独自の資金創出力指標です。

実際の営業キャッシュフロー

約423億円

第1四半期のキャッシュフロー計算書上の 営業CFとは大きな差があります。

基礎営業CFが伸びていることは、 配当・自社株買い・成長投資を支える 重要なプラス材料です。
ただし、 基礎営業CF2,809億円=実際に現金が2,809億円増えた という意味ではありません。 運転資金の動きも含めて確認します。

2,000億円の自社株買い

取得上限
2,000億円
2026年8月4日発表
取得期限
2027/1/29
取得期間
8月末取得額
約112億円
9月1日公表
進捗率
約5.6%
金額ベース
取得した株式は 全株消却する方針 です。 1株利益や1株価値の向上につながります。
8月末時点では 上限2,000億円のうち 約5.6%しか取得していません。 大部分の取得枠が残っています。

財務余力は十分。ただし投資との両立を確認

親会社帰属持分
約9兆円
2026年6月末
親会社所有者帰属持分比率
43.3%
自己資本比率相当
ネットDER
0.49倍
3月末0.47倍
総合商社として、 ネットDER0.49倍は 一定の財務余力がある水準です。
一方、 ネットDERは3月末0.47倍から0.49倍へ上昇 しています。 成長投資・配当・自社株買いを 同時に進めるため、 負債の増え方も確認します。

資源+非資源の事業ポートフォリオ

金属資源

鉄鉱石など世界競争力の高い資源権益を持ち、 利益の大きな柱となっています。

エネルギー

LNG・原油・ガスなど、 世界のエネルギー需要を取り込みます。

モビリティ

自動車・鉄道・船舶など 幅広いモビリティ関連事業を展開しています。

インフラ

電力・物流など、 長期契約型の収益機会を持ちます。

化学品

基礎化学品から機能素材まで 幅広いサプライチェーンに関与します。

ヘルスケア・生活産業

医療・食料・消費関連など 非資源分野にも利益源があります。

非資源事業も広がっていますが、 今期計画では金属資源2,500億円+エネルギー2,000億円 で、 純利益計画9,200億円の約49%を占めます。

資源利益への依存度

主要セグメント 今期利益計画 通期純利益に対する比率
金属資源 2,500億円 約27.2%
エネルギー 2,000億円 約21.7%
合計 4,500億円 約48.9%
資源だけの会社ではありませんが、 利益の約半分を資源関連が占める計画 です。 鉄鉱石・原油・LNG価格は 引き続き重要な監視項目です。

重点リスク

鉄鉱石価格

資源価格下落は金属資源利益へ直接影響します。

原油・LNG

エネルギー市況の下落は利益・CFを押し下げます。

円高

海外利益の円換算額が減少する可能性があります。

大型投資

投資案件の採算悪化・回収遅延が財務負担になります。

減損

資源・インフラ・海外事業で大型減損が発生する可能性があります。

地政学

紛争・政策変更・開発遅延が資源事業へ影響します。

CIM再編益

1Qの大幅増益には一過性・再編要因が含まれます。

配当性向上昇

資源市況悪化時は43%台の配当性向が上昇する可能性があります。

中計後の配当

140円以上の累進配当は中計期間中の方針です。

継続確認ポイント: 140円配当、 基礎営業CF、 鉄鉱石・原油・LNG、 ネットDER、 CIM再編益、 大型投資、 自社株買い進捗 です。

100点評価

配当利回り
6/10
増配・非減配
28/30
財務健全性
18/20
業績・成長性
18/20
割安度
14/20
評価項目 得点 主な理由
配当利回り 6/10 2.79%で3%基準未達
増配・非減配 28/30 7期連続増配予想・140円以上の累進配当
財務健全性 18/20 ネットDER0.49倍、一定の財務余力
業績・成長性 18/20 1Q好調。ただしCIM再編益を含む
バリュエーション 14/20 PER15.47倍、利回り2.79%
合計 84/100 企業品質と購入価格を分けて評価

年間140円配当から逆算した買い水準

2.79% 5,019円 PER 15.47倍 待ち
2.89% 4,850円 PER 14.94倍 再検討
3.01% 4,650円 PER 14.33倍 打診買い
3.18% 4,400円 PER 13.56倍 買いやすい
3.50% 4,000円 PER 12.33倍 積極買い
4.00% 3,500円 PER 10.78倍 強い買い場
現在の購入基準である 「利回り3%以上+PER15倍以下」 を両方満たすのは、 4,650円前後以下 です。
購入イメージ:
5,019円:配当目的では待ち
4,850円:PER15倍以下へ
4,650円:打診買い
4,400円:買いやすい
4,000円:積極買い
3,500円:悪材料を確認して強い買い場
140円 ÷ 3.0% ≒ 4,667円
実務上は、 4,650~4,670円前後 が利回り3%ラインとして 非常に分かりやすい水準です。

分割購入の考え方

① 4,600~4,700円

利回り約3%、 PER14倍台。 最初の打診を検討しやすい水準です。

② 4,300~4,400円

利回り3.2%前後。 累進配当と価格のバランスが かなり良くなります。

③ 4,000円前後

利回り3.5%。 資源価格・業績に問題がなければ 積極購入候補です。

最終判断:84点。140円以上の累進配当は魅力だが、現在5,000円台は配当目的では待ち。

三井物産は、 年間140円配当、 中計期間中140円以上の累進配当、 7期連続増配予想、 10期連続非減配予想、 今期21.7%増配、 基礎営業CF2,809億円、 2,000億円自社株買い、 ネットDER0.49倍、 金属資源・エネルギーの強い競争力、 非資源事業の拡大、 という魅力を持っています。

特に、 配当額140円以上を明示した累進配当と、 基礎営業CFを軸に配当・自社株買いを行う資本政策 は長期保有で評価できます。

一方で、 現在利回り2.79%、 PER15.47倍、 PBR1.58倍、 純利益の約半分を資源関連が占める計画、 1Q利益にCIM Group再編益が含まれること、 ネットDERが0.47倍から0.49倍へ上昇していること、 という注意点があります。

したがって、 現在5,019円では追わず、 4,650円前後で打診、 4,400円前後で通常購入、 4,000円前後なら業績維持を確認して積極購入 という判断です。

買い方 5,000円台は待ち。 4,650円前後で打診。 4,400円で買いやすい。 4,000円前後なら積極購入。
継続確認 140円配当、 累進配当、 基礎営業CF、 資源価格、 ネットDER、 CIM再編益、 2,000億円自社株買い。

ランキングでの位置づけ

三井物産は、 「累進配当・資源競争力・キャッシュ創出・自社株買い」 を備えた 企業品質の高い大型総合商社です。

配当政策

中計期間中は 140円以上の累進配当。 配当の最低イメージが明確です。

資金創出力

1Q基礎営業CFは 2,809億円、+29.9%。 還元と投資を支えます。

現在の弱点

利回り2.79%、 PER15.47倍。 高配当目的では もう一段価格を待ちたい水準です。

総合84点。 会社の質よりも現在の利回りと価格で点を落としている 銘柄です。 4,650円以下なら 利回り3%+PER15倍以下を満たし、 購入優先順位を上げやすくなります。
情報源・前提
  • 株価:2026年9月4日終値 5,019円
  • 2027年3月期年間配当予想:140円
  • 会社予想EPS:324.54円
  • 予想配当性向:約43.1%
  • 7期連続増配予想・10期連続非減配予想
  • 中計期間中:年間140円以上の累進配当
  • 親会社所有者帰属持分比率:43.3%
  • ネットDER:0.49倍
  • 1Q親会社帰属利益:2,941億円
  • 1Q基礎営業CF:2,809億円
  • 自社株買い上限:2,000億円

Yahoo!ファイナンス 株価・PBR 三井物産 2027年3月期 第1四半期決算短信 三井物産 第1四半期決算説明資料・中計還元方針 三井物産 公式 配当履歴・自己株式取得状況 会社提供 決算説明・自社株買い

本資料は2026年9月4日時点の 株価・会社予想・配当予想・決算数値・株主還元方針等を基に整理しています。 将来の業績・株価上昇、 年間140円配当、 7期連続増配、 中計期間中の累進配当、 2,000億円の自己株式取得、 基礎営業キャッシュフローの成長を 保証するものではありません。 特に鉄鉱石・原油・LNG価格、 為替、 CIM Group再編益、 大型投資、 減損、 ネットDER、 基礎営業キャッシュフロー、 自己株買い、 中計終了後の配当方針については 最新の決算・IR資料をご確認ください。
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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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