エクセディ(7278)

エクセディ(7278)投資分析

AUTOMOTIVE COMPONENTS & CAPITAL RETURN REPORT · 2026.08

エクセディ 7278

利回り5.64%・DOE5%下限・80億円自社株買い・優待込み約6.12% 。 クラッチ・トルクコンバータの世界的大手でありながら、 余剰資本を大規模に株主へ返し、 EV時代への事業転換を進める 高還元型の自動車部品メーカー

株価 6,210円 利回り 5.64% 年間配当 350円 DOE 5%下限 自社株買い 80億円 総合利回り 約6.12%
88点/100点・A評価。高還元は非常に魅力的だが、主力化は慎重。 5%超の配当利回り、DOE5%下限、4期連続増配予想、 5.47%規模の自社株買い、3,000円優待は非常に強力。 一方、350円配当の予想配当性向は約89%で、 EV化によるAT・MT需要縮小という構造リスクがあります。
目次

投資判断の要点

エクセディは、 MT車用クラッチやAT車用トルクコンバータを主力とする 世界的大手の駆動系部品メーカーです。

現在は、 利回り5.64%、 DOE5%下限、 4期連続増配予想、 80億円の自社株買い、 1年以上保有で3,000円相当の優待 と、株主還元はかなり強力です。

強み: 5%超の配当利回り、 DOE5%下限、 大規模自社株買い、 優待、 自己資本比率60%、 世界的な駆動系部品基盤、 補修部品需要。
最大の注意点: 350円配当の配当性向は約89%。 さらにBEVでは従来型AT・MTが不要になるケースが多く、 高配当だけで長期主力化するには事業転換リスクが大きい 銘柄です。
A 88点

配当収入を増やす力は非常に強い

ただし、現在の350円配当を 永久配当として評価するのではなく、 DOE5%ベースの下限配当も意識したい銘柄です。

主要投資指標

株価
6,210円
2026年8月31日終値
配当利回り
5.64%
年間350円
3期平均利回り
約5.01%
現在+0.63pt
予想PER
約16.1倍
15倍超
PBR
1.18倍
1倍回復済み
予想配当性向
約89.3%
非常に高い
ROE
7.33%
改善余地あり
自己資本比率
60.2%
会社最適水準付近

株主優待|100株・1年以上で3,000円相当

WEBカタログギフト

条件 内容
保有株数 100株以上
継続保有期間 1年以上
基準日 9月30日
優待内容 3,000円相当

100株保有時の総合利回り

内容 年間金額 利回り
配当 35,000円 5.64%
優待 3,000円相当 0.48%
合計 38,000円相当 約6.12%
1年以上保有後は、 配当+優待で約6.12% という非常に高い総合利回りになります。
1年以上とは、 3月末・9月末の株主名簿に 同じ株主番号で 連続3回以上 記載されることが条件です。

4期連続増配予想

年間配当推移

90
20/3
60
21/3
90
22/3
90
23/3
120
24/3
250
25/3
300
26/3
350
27/3予
決算期 年間配当 増減
2020年3月期 90円 据え置き
2021年3月期 60円 ▲30円
2022年3月期 90円 +30円
2023年3月期 90円 据え置き
2024年3月期 120円 +30円
2025年3月期 250円 +130円
2026年3月期 300円 +50円
2027年3月期予想 350円 +50円
予想どおりなら、 2024年3月期から 4期連続増配 となります。
ただし2021年3月期には 90円から60円への減配実績があります。 長期の累進配当銘柄ではありません。

DOE5%を下限に安定配当

年間配当 350円
DOE下限 5%
2年間総還元 100%
自己資本目標 60%

強い株主還元方針

会社は2025~2026年度の2年間で 総還元性向100%を掲げています。

  • 350円配当
  • 80億円自社株買い
  • 自己資本比率60%を最適水準
  • 中計終了後もDOE5%を下限
  • 余剰資本は機動的に追加還元

350円配当の余裕度

350円 ÷ 391.72円 = 約89.3%

利益の約9割を配当に回す計算です。

これは通常の利益成長型配当ではなく、 余剰資本を意図的に株主へ返す特殊な局面 と見るべきです。

DOE5%下限から見た保守的な配当

BPS 5,270円 × DOE 5% ≒ 264円

現状のBPSを単純に使うと、 DOE5%で支えられる配当は 約264円 です。

350円すべてが下限ではない

現在配当350円に対し、 DOE5%相当は260円台。

つまり、 350円 → 260円台への減配余地は制度上残る ということです。
仮に将来265円まで配当が下がっても、 現在株価6,210円なら 利回りは約4.27%。 保守的に評価しても4%台が残る 点はエクセディの強みです。

現在利回り5.64%は3期平均を上回る

決算期 年間配当 配当利回り
2024年3月期 120円 3.92%
2025年3月期 250円 5.69%
2026年3月期 300円 5.42%
3期平均 約5.01%
現在 350円 5.64%
5.64% − 5.01% = +0.63ポイント

株価は年初来高値付近ですが、 増配によって利回りは依然として高水準です。

絶対利回りだけなら非常に魅力的 な水準です。
ただし、 現在の高利回りは 350円配当を前提にしています。 長期評価では DOE5%ベースの260円台も想定しておく方が安全です。

最新1Q|純利益+24.8%、営業利益は+0.8%

項目 1Q実績 前年同期比 通期進捗率
売上収益 751.36億円 +4.5% 24.6%
営業利益 49.50億円 +0.8% 20.2%
税引前利益 55.38億円 +33.3%
純利益 33.95億円 +24.8% 24.2%

見た目ほど本業は伸びていない

純利益は大幅増ですが、 本業の営業利益は+0.8%にとどまっています。

  • 円安効果
  • 売価転嫁
  • 二輪製品増加
  • 新事業製品増加
一方で、 為替差益や投資運用益も純利益を押し上げています。 純利益24.8%増だけで 本業成長を判断しない方が安全です。

セグメント別|AT利益改善、新事業は赤字

事業 売上収益 前年比 利益 前年比
MT 193.54億円 +9.8% 26.91億円 ▲2.0%
AT 447.86億円 ▲0.3% 36.60億円 +34.2%
TS・産業機械 31.39億円 ▲2.4% 4.77億円 +52.1%
その他 94.09億円 +22.7% ▲15.55億円 赤字拡大
主力AT事業は売上減でも、 価格転嫁などにより利益+34.2% と採算改善が進んでいます。
一方、 二輪・EV・新事業を含む「その他」は 約16億円の赤字 。 現在は既存AT・MT事業の利益で 新事業を育てる段階です。

2027年3月期|営業利益+10%、配当+16.7%

項目 2026年実績 2027年予想 前期比
売上収益 約3,039億円 3,050億円 +0.4%
営業利益 約222億円 245億円 +10.2%
税引前利益 約236億円 230億円 ▲2.7%
純利益 約137億円 140億円 +2.3%
EPS 約375円 391.72円 増加
年間配当 300円 350円 +16.7%
利益成長率より配当増加率の方が高く、 配当性向は約89%まで上昇 します。

80億円・5.47%規模の自社株買い

取得上限
200万株
大規模
発行済比率
5.47%
非常に大きい
金額上限
80億円
2026年12月まで
6月末取得
約21.9億円
36万6,900株
年間配当総額約126億円に 自社株買い80億円を加えると、 今期の株主還元は約200億円規模 になります。
ただし、 この80億円の自社株買いが 毎年続くとは限りません。 一時的な資本圧縮局面 として評価する必要があります。

既存事業には強い参入障壁

MTクラッチ

世界各地の完成車メーカー向けに クラッチを供給しています。

ATトルクコンバータ

長年蓄積した流体・振動制御技術が 競争力になります。

産業機械

建設・農業機械向けトランスミッション部品を展開します。

二輪クラッチ

インド・ASEANなど 二輪市場の成長を取り込みます。

補修部品

既存ICE車が走り続ける限り 交換需要が残ります。

世界生産網

自動車メーカーとの認証・供給実績と 世界的な生産基盤が参入障壁です。

最大の課題|EV化

既存AT・MT市場

BEVでは、 従来型のトルクコンバータや MTクラッチが不要になるケースが多くあります。

現在の主力製品には構造的縮小リスク があります。

新事業

  • BEV用ワイドレンジドライブシステム
  • インホイールモーター
  • 商用車向け電動駆動
  • HV用トルクリミッターダンパー
  • 二輪BEV向け駆動ユニット
  • ドローン・非自動車分野
重要なのは、 新事業の売上ではなく、 新事業がいつ営業黒字化してAT・MT利益を代替できるか です。

既存事業の現金でEV転換できるか

① AT・MTで稼ぐ

既存車向け事業と補修需要で キャッシュを生みます。

② 株主へ還元

配当・自社株買いによって 余剰資本を圧縮します。

③ EV新事業へ投資

残ったキャッシュを 電動駆動・新技術へ再投資します。

エクセディへの長期投資は、 「既存事業が生む現金でEV転換に成功できるか」 への投資でもあります。

財務は健全。ただし余剰資本は減っている

自己資本比率
60.2%
目標水準付近
親会社帰属持分
約1,906億円
十分な厚み
JCR格付
A+
信用力良好
中計営業CF
960億円
中計期間見込み
政策保有株式も売却し、 資本効率改善を進めています。
自己資本比率60.2%は、 会社が考える最適水準60%とほぼ一致しています。 したがって今後は、 これまでと同じ規模の追加還元余地は小さくなる可能性 があります。

高利回りだが、事業価値は激安ではない

PER 約16.1倍

一般的な15倍基準を やや上回っています。

自動車部品株として見ると、 利益倍率で明確な割安株とは言いにくい 状態です。

PBR 1.18倍

以前のような PBR1倍割れではありません。

DOE導入、 350円配当、 自社株買い、 資本効率改善が 株価へ反映されています。
つまり、 「配当利回りは安いが、事業そのものは極端に安くない」 という評価です。

重点リスク

配当性向89%

350円配当を利益だけで長期継続する余裕は大きくありません。

DOEとの差

DOE5%が支えるのは現状260円台であり、350円全額ではありません。

還元縮小

中計終了後に特別な高還元局面が終わる可能性があります。

EV化

AT・MT需要の構造的な縮小は最大の長期リスクです。

中国AT

中国でのAT受注減少がすでに表面化しています。

新事業赤字

研究開発負担が大きく、代替利益源にはまだ育っていません。

為替

円高は海外利益の円換算額を押し下げます。

完成車生産

主要顧客の生産台数変動の影響を受けます。

自社株買い終了

買い付け終了後に株価需給が弱くなる可能性があります。

最重要確認ポイント: 350円配当ではなく、 DOE5%下限・EV新事業の黒字化・既存AT/MTのキャッシュ創出力 を長期判断の軸にすることです。

総合評価レーダー

配当利回り
10/10
増配・非減配
28/30
財務健全性
19/20
業績・成長性
16/20
割安度
15/20

年間配当350円から逆算した買い水準

5.50% 6,365円 急がない
現在 5.64% 6,210円 打診買い
5.83% 6,000円 買いやすい
6.00% 5,833円 通常買い
6.25% 5,600円 積極買い
6.50% 5,385円 強い買い場
7.00% 5,000円 暴落時好機
購入イメージ: 6,200円前後では予定投資額の25%程度を打診。 6,000円以下で追加。 5,600~5,800円なら積極買い。 5,400円前後なら 業績悪化がなければ強い買い場です。

分割購入の考え方

① 6,200円前後

利回り5.6%台。 優待の長期保有条件をスタートする目的も含め、 25%程度の打診は可能です。

② 5,600~5,800円

利回り6%前後。 PERも15倍以下へ近づき、 価格と高還元のバランスがかなり良くなります。

③ 5,400円前後

利回り6.5%前後。 350円配当維持と業績に問題がなければ 強い買い場です。

最終判断:88点。現在でも打診可能だが、主力ではなく高利回りサテライト向き。

エクセディは、 配当利回り5.64%、 優待込み総合利回り約6.12%、 4期連続増配予想、 DOE5%下限、 年間350円配当、 80億円・5.47%の自社株買い、 自己資本比率60.2%、 JCR格付A+、 AT事業の採算改善、 という非常に強い還元材料を持っています。

特に、 「配当+DOE+自社株買い+優待」 という現在の株主還元力は、 これまで分析した銘柄の中でも上位です。

一方で、 予想配当性向89.3%、 350円全額がDOE下限ではないこと、 2021年の減配実績、 AT・MT需要の構造的縮小、 中国AT受注減少、 新事業赤字、 今後の追加還元余地縮小、 という弱点があります。

したがって、 6,200円前後で優待目的も含め25%程度を打診、 6,000円以下で追加、 5,600~5,800円で積極買い、 5,400円前後なら強い買い場 という判断が適しています。

買い方 6,200円前後で25%程度打診。 6,000円以下で追加。 5,600~5,800円で積極購入。 5,400円前後は強い買い場。
継続確認 350円配当、 DOE5%、 EPS、 AT受注、 中国市場、 新事業赤字、 営業CF、 自社株買い、 EV事業黒字化。

ランキングでの位置づけ

エクセディは、 「現在の配当収入を一気に増やす力」 に優れた高還元株です。

現在利回り

5.64%。 優待込みなら約6.12%で、 絶対利回りは非常に高いです。

株主還元

DOE5%下限、 80億円の自社株買い。 還元姿勢は非常に強力です。

長期安定性

配当性向89%と EV構造変化が重く、 主力候補としては慎重です。

総合88点・A評価。 安定成長・低配当性向の銘柄より総合順位は下でも、 配当収入を増やすサテライト枠としては非常に強い という位置づけです。
情報源・前提
  • 株価・PER・PBR:2026年8月31日終値基準
  • 年間配当:2027年3月期会社予想350円
  • 3期平均配当利回り:2024年3月期~2026年3月期の利回り平均
  • 株主還元:DOE5%下限、2025~2026年度総還元性向100%
  • 自社株買い:上限200万株・80億円・発行済株式の5.47%
  • 株主優待:100株以上・1年以上でWEBカタログギフト3,000円相当
  • 最新業績:2027年3月期第1四半期

Yahoo!ファイナンス 株価・指標 マネックス銘柄スカウター エクセディ公式 配当・株式情報 決算説明・株主還元方針 IRBANK 配当利回り推移 2027年3月期 第1四半期決算短信 自社株買い進捗 エクセディ公式 株主優待 エクセディ 電動化対応製品

本資料は2026年8月31日時点の 株価・会社予想・配当予想・株主還元方針等を基に整理しています。 将来の業績・配当・株価上昇、 年間350円配当、 DOE5%下限、 株主優待、 自社株買いの継続を保証するものではありません。 特にAT・MT需要、 中国市場、 EV化、 新事業赤字、 為替、 原材料価格、 年間350円配当、 DOE5%、 自己資本比率、 自社株買い、 株主優待については 最新の決算・IR資料をご確認ください。
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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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