楽天グループ(4755)

楽天グループ(4755)投資分析・再評価

TURNAROUND & SHAREHOLDER BENEFIT REPORT · 2026.09

楽天グループ 4755

6年ぶり四半期最終黒字・楽天モバイル1,075万回線・FinTech営業利益+60.1% 。 事業回復はかなり進みました。 一方で、 2023~2025年は無配、2026年配当も未定。 高配当株としてはまだ投資対象外です。

株価 742.2円 年間配当 未定 2023~25年 無配 モバイル 1,075万回線 2Q最終黒字 優待 30GB/月
46点/100点・C評価〈高配当株基準〉。配当目的は×、優待・成長狙いなら別評価。 楽天という会社が46点なのではなく、 「高配当・増配株として46点」という意味です。 配当ポートフォリオにはまだ入れず、 楽天モバイル優待を実際に使うなら100株、 成長投資なら700円以下から検討します。
目次

投資判断の要点

楽天グループは、 楽天市場・楽天トラベルなどのインターネットサービス、 楽天カード・楽天銀行・楽天証券などのFinTech、 そして楽天モバイルを中核に持つ巨大経済圏企業です。

改善点: 楽天モバイルの赤字縮小、 EBITDA黒字、 FinTech急成長、 6年ぶりの四半期最終黒字。
投資上の魅力: 配当ではなく、 モバイル黒字化によるグループ利益の正常化です。
高配当投資での最大の問題: 2023年・2024年・2025年は無配。 2026年12月期も 年間配当は現時点で未定です。
46 100点満点

会社の成長評価ではなく、高配当株としての46点。

業績改善は高評価ですが、 配当利回り・連続増配・財務の採点軸では大きく点を落とします。

主要投資指標

株価
742.2円
2026年9月7日終値
年間配当
未定
2026年12月期
配当利回り
算出不可
実質0%前提で評価
PBR
約1.8倍
単純な割安感は乏しい
年初来高値
1,026円
現在は約28%下
年初来安値
686円
現在値に比較的近い
最低投資額
約7.4万円
100株
優待
30GB/月
6カ月+条件で追加6カ月

2023年から3年連続無配

4.5
18/12
4.5
19/12
4.5
20/12
4.5
21/12
4.5
22/12
0
23/12
0
24/12
0
25/12
未定
26/12予
決算期 年間配当 評価
2018年12月期4.5円維持
2019年12月期4.5円維持
2020年12月期4.5円維持
2021年12月期4.5円維持
2022年12月期4.5円維持
2023年12月期0円無配
2024年12月期0円無配
2025年12月期0円無配
2026年12月期予想未定再開時期未定
連続増配なし・非減配なし・現在配当なし。
会社としては安定的・継続的配当を基本方針としていますが、 現在は 財務基盤安定・有利子負債削減を優先しています。

最大の株主還元は楽天モバイル優待

100株以上

音声+データ30GB/月を6カ月無料で利用できます。

継続保有条件

条件を満たすと、さらに6カ月分が追加されます。

最大利用期間

条件を満たせば、最大1年間無料となります。

742.2円 × 100株 = 74,220円
楽天モバイルを実際に使う人なら、 7万円台の投資に対する実用価値はかなり高いです。
ただし、 これは 配当利回りではありません。
楽天モバイルを使わない人にとっては、 優待価値は大きく下がります。

2026年上期|明確なターンアラウンド

項目 上期実績 前年同期比・状況
売上収益1兆3,090.5億円+12.9%
IFRS営業利益504.4億円前年赤字→黒字
税引前利益178.8億円前年赤字→黒字
中間利益254.3億円前年赤字→黒字
前年上期の営業損失66.1億円から、 営業黒字504.4億円へ大きく改善しました。

2Q単独|6年ぶり四半期最終黒字

売上高
6,655億円
+11.6%
Non-GAAP営業利益
420億円
+109.6%
EBITDA
1,153億円
収益力改善
親会社株主帰属利益
77億円
6年ぶり四半期黒字
以前の 「EC・FinTechで稼いでもモバイルが全部食いつぶす」 状態から、明確に変わり始めています。

楽天モバイル|1,075万回線

総契約数
1,075万回線
2026年6月末
モバイル売上
1,214億円
+8.3%
Non-GAAP営業損失
▲331億円
前年より41億円改善
楽天モバイル EBITDA
+59億円
黒字維持
まだ営業赤字ですが、 EBITDAは黒字です。
今後の重要指標は、 契約数だけでなく、 ARPU・ローミング費用・基地局投資・EBITDA・営業赤字縮小です。
楽天は徐々に、 契約者増が赤字拡大につながる会社から、 契約者増が利益改善につながる会社へ移行しつつあります。

EC・インターネット事業は依然として強い

売上高

2Qインターネットサービス売上は3,381億円、前年同期比+4.2%です。

営業利益

Non-GAAP営業利益231億円、+68.6%と大幅増益でした。

国内EC流通総額

1.53兆円、前年同期比+5.3%です。

広告

広告事業も+15.6%成長しています。

楽天市場

経済圏の中心として依然大きな顧客基盤を持ちます。

楽天トラベル

旅行需要を取り込む高収益インターネットサービスです。

FinTechが巨大な利益源

FinTech売上

2Q売上高2,954億円、前年同期比+27.0%です。

FinTech営業利益

Non-GAAP営業利益692億円、+60.1%と非常に強い伸びです。

楽天カード

2Qショッピング取扱高7.1兆円、+9.4%です。

楽天銀行

巨大な預金基盤を持つFinTechの資金調達中核です。

楽天証券

証券口座・資産形成分野で楽天経済圏との相乗効果があります。

楽天ペイ・保険

カード以外にも金融サービスを横断的に展開しています。

楽天を評価する際は、 モバイル赤字だけを見てFinTech価値を無視しないことが重要です。

FinTech再編が次の重要材料

楽天銀行を軸として、 楽天カード・楽天証券HDなどを集約する再編を進めています。

楽天銀行の低コスト資金調達 ↓ カード・証券の調達コスト低下
再編が機能すれば、 FinTech全体の利益成長と資本効率改善につながる可能性があります。
一方、 組織再編・少数株主・規制対応などの実行リスクもあります。

財務は依然として最大の弱点

総資産
31.14兆円
2026年6月末
総資本
1.32兆円
連結
親会社帰属持分
9,153億円
資本余力は大きくない
連結自己資本比率
4.2%
銀行等を含むため単純比較不可
楽天には銀行・カード・証券があるため、 製造業の自己資本比率と単純比較するのは適切ではありません。
それでも、 財務に余裕がある会社ではないという評価は変わりません。

非FinTech有利子負債の削減が最優先

2025年末
6.5倍
ネット有利子負債 / EBITDA
2026年目標
約6倍
改善目標
翌年度目標
5倍未満
中期改善
方向性としては改善しています。
しかし、 まだ負債負担は重いです。

資金繰りは数年前より改善

株式売却

2026年5月に保有株式売却で約2,000億円を調達しました。

劣後債償還

4月にドル建永久劣後債を償還しています。

円建社債償還

6月に円建社債を償還し、2026年中の社債償還資金は確保済みとしています。

数年前ほど 「直近社債償還をどう乗り切るか」 という切迫感はありません。
ただし、 2027年以降の償還については継続的な資金調達が必要です。

楽天の本当の投資仮説

EC・FinTechの利益 + モバイル赤字縮小 + 財務改善 = 正常利益の急増
楽天を買う理由は、 現在の配当ではありません。
最大のアップサイドは、 楽天モバイルが営業黒字へ近づいたときに、 グループ全体の利益が大きく見直されることです。

PBR1.8倍だけでは判断しにくい

現在PBR 約1.8倍
単純に見れば 割安とは言いにくいです。

一方、 楽天銀行、楽天カード、楽天証券、楽天市場、楽天モバイルなど、 性質の異なる事業をまとめて評価する必要があります。

そのため、 楽天は PBRだけで判断する銘柄ではありません。

重点リスク

モバイル赤字

営業黒字化が遅れると投資ストーリーが崩れます。

通信競争

料金競争と品質改善コストが収益性へ影響します。

基地局投資

追加投資が増えるとフリーキャッシュフロー改善が遅れます。

有利子負債

非FinTech事業の負債負担は依然重い状態です。

高金利

借換金利上昇によって利払い負担が増える可能性があります。

社債借換

2027年以降も継続的な資金調達が必要です。

希薄化

新株発行による株式価値希薄化の可能性があります。

FinTech再編

再編効果が想定通り実現しないリスクがあります。

配当再開

高配当投資では、再開時期が未定であること自体が大きな弱点です。

高配当投資家にとって最大のリスクは、 無配がいつまで続くか分からないことです。

買い水準|配当ではなく目的別に判断

現在値 742円 優待目的 100株検討可
株価調整 700円 成長目的 買いやすい
年初来安値 686円 重要水準 監視
成長投資 650円 改善継続前提 魅力増
成長投資 600円 安全余裕↑ 積極検討
急落域 550円以下 悪材料確認 慎重
配当目的: 何円でも今は買わない。 まず配当再開を待ちます。
優待目的: 742円でも100株なら検討可能。 楽天モバイルを実際に使う人向けです。
成長投資目的: 700円以下から少しずつ。 650円前後なら事業改善継続を条件に魅力が増します。

100点評価〈高配当株基準〉

評価項目 得点 主な理由
配当利回り 0/10 無配・2026年配当未定
増配・非減配 3/30 2023年から無配
財務健全性 8/20 改善中だが非FinTech負債は依然重い
業績・成長性 19/20 2Q急改善、6年ぶり四半期最終黒字
バリュエーション 16/20 700円台は面白いが単純な割安判断は困難
合計 46/100 C評価・高配当株としては対象外
46点は 楽天という会社の価値が低いという意味ではありません。
成長株・ターンアラウンド株として採点するなら、 高配当株基準よりかなり高く評価できます。

最終判断:46点・C評価。配当ポートフォリオには入れない。ただし優待+事業回復狙いの100株は面白い。

楽天グループは、 2Q売上6,655億円・+11.6%、 Non-GAAP営業利益420億円・+109.6%、 6年ぶり四半期最終黒字、 楽天モバイル1,075万回線、 楽天モバイルEBITDA黒字、 インターネット事業営業利益+68.6%、 FinTech営業利益692億円・+60.1%、 楽天カード取扱高7.1兆円、 FinTech再編、 直近社債償還資金確保、 という明確な改善材料があります。

一方で、 2023~2025年無配、 2026年配当未定、 DOEなし、 非FinTech有利子負債負担、 自己資本の薄さ、 楽天モバイル営業赤字、 社債借換、 高金利、 希薄化、 FinTech再編リスク、 優待変更・廃止リスク、 という問題も残っています。

したがって、 高配当株としては買わない。 楽天モバイル優待を利用するなら100株だけ保有は検討可能。 成長投資なら700円以下から少量、650円前後なら事業改善継続を確認して買い増す という判断です。

配当目的 現時点では×。 配当再開を確認してから再評価します。
優待目的 742円でも100株検討可。 楽天モバイル30GB/月を実際に使う人向け。
成長目的 700円以下から少量。 650円前後で魅力増。 モバイル黒字化を最重要確認。

高配当ランキングでは別枠

楽天グループは、 SPK・CTS・学情などの高配当・増配株と同じランキングに混ぜるべき銘柄ではありません。

成長性

モバイル黒字化が進めば、グループ利益の見え方が大きく変わる可能性があります。

優待

100株で楽天モバイル優待を利用できるため、実用品としての価値は高いです。

高配当株として

現在無配。配当再開時期も未定なので、ランキング本体には入れません。

「高配当株ランキング」では除外、 「優待株・ターンアラウンド株」では監視対象 という分け方が最も整理しやすいです。
情報源・前提
  • 株価:2026年9月7日終値 742.2円
  • 2023年・2024年・2025年配当:0円
  • 2026年12月期配当:未定
  • 株主優待:楽天モバイル30GB/月・6カ月、条件達成で追加6カ月
  • 2026年上期売上収益:1兆3,090.5億円
  • 2026年上期IFRS営業利益:504.4億円
  • 2Q親会社株主帰属利益:77億円
  • 楽天モバイル総契約数:1,075万回線
  • 楽天モバイルEBITDA:+59億円
  • FinTech 2Q営業利益:692億円、+60.1%
  • 連結自己資本比率:4.2%
  • 非FinTechネット有利子負債/EBITDA:2025年末6.5倍

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本資料は2026年9月7日時点の 株価・会社発表・決算数値・配当方針・株主優待制度等を基に整理しています。 将来の業績・株価上昇、 楽天モバイル黒字化、 配当再開、 株主優待継続、 FinTech再編効果を保証するものではありません。 楽天グループは現在、 2023年から無配が続いており、 2026年12月期配当も現時点で未定です。 そのため、 本記事の46点評価は 「高配当・増配株としての評価」であり、 楽天グループ全体の企業価値・成長余地を46点と評価するものではありません。 特に、 楽天モバイル契約数、 ARPU、 楽天モバイルEBITDA、 営業赤字、 基地局投資、 非FinTech有利子負債、 社債償還、 FinTech再編、 配当再開、 株主優待制度については、 最新IR資料をご確認ください。
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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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