TURNAROUND & SHAREHOLDER BENEFIT REPORT · 2026.09
楽天グループ 4755
6年ぶり四半期最終黒字・楽天モバイル1,075万回線・FinTech営業利益+60.1% 。 事業回復はかなり進みました。 一方で、 2023~2025年は無配、2026年配当も未定。 高配当株としてはまだ投資対象外です。
投資判断の要点
楽天グループは、 楽天市場・楽天トラベルなどのインターネットサービス、 楽天カード・楽天銀行・楽天証券などのFinTech、 そして楽天モバイルを中核に持つ巨大経済圏企業です。
会社の成長評価ではなく、高配当株としての46点。
業績改善は高評価ですが、 配当利回り・連続増配・財務の採点軸では大きく点を落とします。
主要投資指標
2023年から3年連続無配
| 決算期 | 年間配当 | 評価 |
|---|---|---|
| 2018年12月期 | 4.5円 | 維持 |
| 2019年12月期 | 4.5円 | 維持 |
| 2020年12月期 | 4.5円 | 維持 |
| 2021年12月期 | 4.5円 | 維持 |
| 2022年12月期 | 4.5円 | 維持 |
| 2023年12月期 | 0円 | 無配 |
| 2024年12月期 | 0円 | 無配 |
| 2025年12月期 | 0円 | 無配 |
| 2026年12月期予想 | 未定 | 再開時期未定 |
最大の株主還元は楽天モバイル優待
100株以上
音声+データ30GB/月を6カ月無料で利用できます。
継続保有条件
条件を満たすと、さらに6カ月分が追加されます。
最大利用期間
条件を満たせば、最大1年間無料となります。
2026年上期|明確なターンアラウンド
| 項目 | 上期実績 | 前年同期比・状況 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆3,090.5億円 | +12.9% |
| IFRS営業利益 | 504.4億円 | 前年赤字→黒字 |
| 税引前利益 | 178.8億円 | 前年赤字→黒字 |
| 中間利益 | 254.3億円 | 前年赤字→黒字 |
2Q単独|6年ぶり四半期最終黒字
楽天モバイル|1,075万回線
EC・インターネット事業は依然として強い
売上高
2Qインターネットサービス売上は3,381億円、前年同期比+4.2%です。
営業利益
Non-GAAP営業利益231億円、+68.6%と大幅増益でした。
国内EC流通総額
1.53兆円、前年同期比+5.3%です。
広告
広告事業も+15.6%成長しています。
楽天市場
経済圏の中心として依然大きな顧客基盤を持ちます。
楽天トラベル
旅行需要を取り込む高収益インターネットサービスです。
FinTechが巨大な利益源
FinTech売上
2Q売上高2,954億円、前年同期比+27.0%です。
FinTech営業利益
Non-GAAP営業利益692億円、+60.1%と非常に強い伸びです。
楽天カード
2Qショッピング取扱高7.1兆円、+9.4%です。
楽天銀行
巨大な預金基盤を持つFinTechの資金調達中核です。
楽天証券
証券口座・資産形成分野で楽天経済圏との相乗効果があります。
楽天ペイ・保険
カード以外にも金融サービスを横断的に展開しています。
FinTech再編が次の重要材料
楽天銀行を軸として、 楽天カード・楽天証券HDなどを集約する再編を進めています。
財務は依然として最大の弱点
非FinTech有利子負債の削減が最優先
資金繰りは数年前より改善
株式売却
2026年5月に保有株式売却で約2,000億円を調達しました。
劣後債償還
4月にドル建永久劣後債を償還しています。
円建社債償還
6月に円建社債を償還し、2026年中の社債償還資金は確保済みとしています。
楽天の本当の投資仮説
PBR1.8倍だけでは判断しにくい
一方、 楽天銀行、楽天カード、楽天証券、楽天市場、楽天モバイルなど、 性質の異なる事業をまとめて評価する必要があります。
重点リスク
モバイル赤字
営業黒字化が遅れると投資ストーリーが崩れます。
通信競争
料金競争と品質改善コストが収益性へ影響します。
基地局投資
追加投資が増えるとフリーキャッシュフロー改善が遅れます。
有利子負債
非FinTech事業の負債負担は依然重い状態です。
高金利
借換金利上昇によって利払い負担が増える可能性があります。
社債借換
2027年以降も継続的な資金調達が必要です。
希薄化
新株発行による株式価値希薄化の可能性があります。
FinTech再編
再編効果が想定通り実現しないリスクがあります。
配当再開
高配当投資では、再開時期が未定であること自体が大きな弱点です。
買い水準|配当ではなく目的別に判断
100点評価〈高配当株基準〉
| 評価項目 | 得点 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 0/10 | 無配・2026年配当未定 |
| 増配・非減配 | 3/30 | 2023年から無配 |
| 財務健全性 | 8/20 | 改善中だが非FinTech負債は依然重い |
| 業績・成長性 | 19/20 | 2Q急改善、6年ぶり四半期最終黒字 |
| バリュエーション | 16/20 | 700円台は面白いが単純な割安判断は困難 |
| 合計 | 46/100 | C評価・高配当株としては対象外 |
最終判断:46点・C評価。配当ポートフォリオには入れない。ただし優待+事業回復狙いの100株は面白い。
楽天グループは、
2Q売上6,655億円・+11.6%、
Non-GAAP営業利益420億円・+109.6%、
6年ぶり四半期最終黒字、
楽天モバイル1,075万回線、
楽天モバイルEBITDA黒字、
インターネット事業営業利益+68.6%、
FinTech営業利益692億円・+60.1%、
楽天カード取扱高7.1兆円、
FinTech再編、
直近社債償還資金確保、
という明確な改善材料があります。
一方で、
2023~2025年無配、
2026年配当未定、
DOEなし、
非FinTech有利子負債負担、
自己資本の薄さ、
楽天モバイル営業赤字、
社債借換、
高金利、
希薄化、
FinTech再編リスク、
優待変更・廃止リスク、
という問題も残っています。
したがって、
高配当株としては買わない。
楽天モバイル優待を利用するなら100株だけ保有は検討可能。
成長投資なら700円以下から少量、650円前後なら事業改善継続を確認して買い増す
という判断です。
高配当ランキングでは別枠
楽天グループは、 SPK・CTS・学情などの高配当・増配株と同じランキングに混ぜるべき銘柄ではありません。
成長性
モバイル黒字化が進めば、グループ利益の見え方が大きく変わる可能性があります。
優待
100株で楽天モバイル優待を利用できるため、実用品としての価値は高いです。
高配当株として
現在無配。配当再開時期も未定なので、ランキング本体には入れません。
- 株価:2026年9月7日終値 742.2円
- 2023年・2024年・2025年配当:0円
- 2026年12月期配当:未定
- 株主優待:楽天モバイル30GB/月・6カ月、条件達成で追加6カ月
- 2026年上期売上収益:1兆3,090.5億円
- 2026年上期IFRS営業利益:504.4億円
- 2Q親会社株主帰属利益:77億円
- 楽天モバイル総契約数:1,075万回線
- 楽天モバイルEBITDA:+59億円
- FinTech 2Q営業利益:692億円、+60.1%
- 連結自己資本比率:4.2%
- 非FinTechネット有利子負債/EBITDA:2025年末6.5倍
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