ENERGY DIVIDEND STOCK REPORT · 2026.07.31
INPEX 1605
累進配当・6期連続増配・PBR1倍割れ。企業と還元方針は魅力的だが、利回り2.98%では高値を追わない。
投資判断の要点
INPEXは豪州イクシスLNGを中核とする日本最大級の資源開発会社です。累進配当、総還元性向50%以上、大型の自己株買いを掲げ、株主還元は強力です。
一方、現在利回り2.98%は3年平均4.18%を1.20ポイント下回ります。会社としては買いたいが、現在価格では急がないという判断です。
キリンHDと同程度
利回りと割安度はキリンより上ですが、業績安定性は下。資源・インフレヘッジ枠として評価します。
主要投資指標
配当推移と前年比の増配率
1株配当の推移
2020年~2026年予想(円)
| 年度 | 1株配当 | 前年差 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 24円 | - | - |
| 2021年 | 48円 | +24円 | +100.0% |
| 2022年 | 62円 | +14円 | +29.2% |
| 2023年 | 74円 | +12円 | +19.4% |
| 2024年 | 86円 | +12円 | +16.2% |
| 2025年 | 100円 | +14円 | +16.3% |
| 2026年予想 | 108円 | +8円 | +8.0% |
増配以上に株価が上昇
| 年 | 配当利回り |
|---|---|
| 2023年 | 4.24% |
| 2024年 | 3.98% |
| 2025年 | 4.33% |
| 3年平均 | 4.18% |
| 現在 | 2.98% |
利回り差 −1.20ポイント
配当は増えていますが、原油高と地政学リスクを背景に株価がさらに上昇しました。現在のインカム利回りは過去平均に比べてかなり低い水準です。
2026年1Qは原油安で減収減益
| 項目 | 2026年1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 5,018億円 | −6.5% |
| 営業利益 | 2,782億円 | −14.1% |
| 税引前利益 | 2,913億円 | −13.1% |
| 親会社所有者利益 | 1,094億円 | −13.4% |
| EPS | 94.08円 | −10.8% |
減益の主因
海外平均販売価格が前年同期の75.49ドルから67.39ドルへ下落。円安と天然ガス販売量の増加が一部を補いました。
通期見通しは実質上方修正
| 前提 | ブレント原油 | 為替 | 当期利益 |
|---|---|---|---|
| 低位ケース | 70ドル | 154円 | 3,500億円 |
| 高位ケース | 83ドル | 156円 | 4,500億円 |
当初予想3,300億円に対し、会社は中東情勢を踏まえてレンジ予想へ変更しました。
利益感応度
INPEXの強み
イクシスLNG
2026年の利益貢献は2,750~3,300億円を見込み、長期契約中心で収益の安定性があります。
アバディLNG
2030年代の大型成長案件。最終投資決定後は採算性、投資額、工期を確認します。
財務余力
親会社持分約4.89兆円、総資産約8.02兆円。ネットD/E予想0.33~0.35倍です。
重点リスク
資源価格
原油・天然ガス価格の下落で利益とキャッシュフローが減少。
為替
円高によりドル建て利益の円換算額が減少します。
地政学
中東情勢、ホルムズ海峡など供給網の混乱と価格急変。
イクシス操業
設備トラブルや操業停止がグループ利益に大きく影響。
アバディ開発
投資額増加、工期遅延、最終投資決定の不確実性。
2028年以降
現在の累進配当方針は中計期間内。次期方針の再確認が必要。
総合評価レーダー
年間配当108円から逆算した買い水準
次回2Q決算は2026年8月7日予定。原油前提、通期利益、追加の自己株買いが注目点です。
最終判断:会社としては買いたいが、現在価格では急がない。
累進配当、6期連続増配、配当性向30%前後、PBR0.86倍は魅力的です。ただし株価は原油高と地政学プレミアムを織り込み、利回りは過去平均を大きく下回ります。
- 株価・指標:2026年7月31日の市場データ
- 配当履歴:みんかぶ
- 株主還元方針:INPEX公式
- 2026年1Q決算資料:INPEX決算資料



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