小松製作所/コマツ(6301)

小松製作所/コマツ(6301)投資分析

CONSTRUCTION & MINING EQUIPMENT REPORT · 2026.08

小松製作所/コマツ 6301

世界トップクラスの建機・鉱山機械メーカー。1Q増収増益、自社株買い1,000億円。 企業品質は非常に高い一方、 現在は利回り2.69%・PER18倍台まで株価評価が上昇した 「良い会社だが、高配当目的では価格待ち」の銘柄

株価 7,065円 利回り 2.69% 年間配当 190円 PER 18.15倍 ROE 11.26% 自社株買い 1,000億円
評価:Bランク/72点。高配当目的では現在値を追わない。 鉱山機械・部品サービス・自動化・半導体関連など事業品質はA級。 ただし利回り2.69%は3年平均3.78%を1.09pt下回り、 PER・PBRにも割安感がありません。 5,700円以下で再評価、5,400円前後から積極度を上げたい水準です。
目次

投資判断の要点

コマツは、 建設機械・鉱山機械で世界トップクラスの競争力を持つグローバルメーカーです。

特に大型鉱山機械では、 機械販売だけでなく、 部品・保守・遠隔監視・自動運転システムまで展開し、 長期的な顧客接点を持っています。

一方、現在株価では、 利回り2.69%、 PER18.15倍、 PBR1.79倍 となり、高配当株としての割安感はかなり薄れています。

企業面の魅力: 世界トップ級の競争力、 鉱山機械、 高収益サービス、 ROE11%超、 1Q増収増益、 1,000億円自社株買い。
現在価格の弱点: 利回り2.69%は3%未満。 さらに3年平均利回り3.78%を 1.09ポイント下回っています。
B 72点

企業品質と買い価格を分けて考える

会社そのものはAランク級。 しかし現在価格では 高配当投資の基準を満たしにくいため、 投資評価はBランクです。

主要投資指標

株価
7,065円
2026年8月21日終値
配当利回り
2.69%
3%基準未達
3年平均利回り
3.78%
現在▲1.09pt
予想PER
18.15倍
15倍超
PBR
1.79倍
割安感は弱い
予想配当性向
約48.6%
許容範囲
自己資本比率
51.8%
良好
ROE
11.26%
高収益

現在利回り2.69%は3年平均を大幅に下回る

決算期 年間配当 期末利回り
2024年3月期 167円 3.78%
2025年3月期 190円 4.41%
2026年3月期 190円 3.16%
3年平均 3.78%
現在 190円 2.69%
2.69% − 3.78% = ▲1.09ポイント

現在株価には、 業績回復・鉱山需要・円安・優良企業プレミアムが かなり織り込まれています。

高配当投資では明確に待ち。 現在株価が悪いというより、 190円配当に対して株価が先に上がりすぎています。

6期連続非減配予想、現在は増配停止

年間配当推移

94
20/3
55
21/3
96
22/3
139
23/3
167
24/3
190
25/3
190
26/3
190
27/3予
決算期 年間配当 増減
2020年3月期 94円
2021年3月期 55円 減配
2022年3月期 96円 増配
2023年3月期 139円 増配
2024年3月期 167円 増配
2025年3月期 190円 増配
2026年3月期 190円 据え置き
2027年3月期予想 190円 据え置き
2025年3月期までは4期連続増配でしたが、 その後は190円で据え置き。 現在の連続増配は0期です。

配当性向40%以上を明示

年間配当 190円
配当性向方針 40%以上
予想配当性向 48.6%
DOE下限 なし

190円は現在利益で支払い可能

190円 ÷ 390.87円 = 約48.6%

会社方針の40%以上を満たしつつ、 配当性向50%未満に収まっています。

現在の利益水準なら、 190円配当に無理はありません。

景気敏感株である点に注意

累進配当やDOE下限はありません。

建設・鉱山機械は景気循環の影響を受けるため、 利益が大きく低下すれば減配余地は残ります。

2021年3月期には 94円から55円へ減配した実績があります。

最新1Q|売上+14.7%・営業利益+8.0%

項目 1Q実績 前年同期比 進捗率
売上高 1兆431億円 +14.7% 24.2%
営業利益 1,516億円 +8.0% 27.3%
税引前利益 1,400億円 +6.7% 27.6%
純利益 962億円 +5.4% 27.6%

1Qは順調

全利益項目で増益となり、 通期計画に対する進捗も25%を上回っています。

進捗率は良好。 1Qだけを見れば、 会社計画を上回るペースです。
一方、 営業利益率は前年同期約15.4%から 約14.5%へ低下。 売上ほど利益が伸びていない点には注意が必要です。

通期は増収・減益予想

項目 2027年3月期予想 前期比
売上高 4兆3,020億円 +4.1%
営業利益 5,550億円 ▲2.2%
税引前利益 5,080億円 ▲5.4%
純利益 3,490億円 ▲7.3%
EPS 390.87円
年間配当 190円 据え置き
1Qを受けて会社予想は上方修正されています。
ただし通期では減益予想。 現在は 「業績悪化局面」ではなく 「過去最高水準からの調整局面」 と見るのが適切です。

コマツの中長期成長ドライバー

銅・金鉱山

電力網・EV・データセンター投資による 銅需要増加が鉱山開発投資を支えます。

大型鉱山機械

超大型ダンプや採掘機械は 高単価で参入障壁も高く、 コマツの重要な収益源です。

部品・保守

販売後も交換部品・修理・保守契約による 継続収益を得られます。

自動運転

鉱山向け無人ダンプ運行システムなど、 自動化需要を取り込んでいます。

スマートコンストラクション

建機販売だけでなく、 施工現場全体をデジタル化するサービスへ展開しています。

半導体

ギガフォトンのエキシマレーザーなど、 半導体製造装置関連も成長分野です。

産業機械・半導体関連も好調

産業機械売上
529億円
1Q
売上成長
+21.7%
前年同期比
セグメント利益
90億円
+25.1%
利益率
17.0%
高収益
建機・鉱山機械だけではなく、 半導体設備関連の収益源も持つ点は 事業分散上プラスです。

1,000億円規模の自社株買い

取得上限額
1,000億円
大規模還元
取得上限株数
2,500万株
自己株式
取得株式
原則消却
EPS改善
期待効果
ROE改善
資本効率向上
配当190円に加えて、 1,000億円規模の自己株取得を実施。 1株利益と資本効率の改善 につながります。
ただし、 2026年の大規模自社株買いを 恒常的な還元として評価するのは避けたいところです。

重点リスク

為替

海外売上比率が約9割。 円高転換は業績の大きな逆風になります。

資源価格

銅・金価格が下落すれば、 鉱山会社の設備投資が減少する可能性があります。

世界景気

北米・中南米・豪州などの景気後退は 建機需要を押し下げます。

利益率低下

1Qでは増益ながら、 営業利益率は前年同期から低下しています。

配当性向

予想配当性向は48.6%。 さらに利益が落ちると 190円維持余力は小さくなります。

現在価格

企業品質を評価したプレミアムが付き、 高配当株としての安全余裕は小さくなっています。

最大の投資リスクは、会社ではなく購入価格。 コマツの企業力は強いですが、 利回り2%台・PER18倍台で買う必要があるか は別問題です。

総合評価レーダー

配当利回り
5/10
配当継続性
21/30
財務健全性
18/20
業績・成長性
18/20
割安度
10/20
評価の核心: 財務・競争力・成長性は高評価。 しかし、 配当利回りと現在のバリュエーション が総合点を大きく押し下げています。

年間配当190円から逆算した買い水準

現在 2.69% 7,065円 見送り
3.00% 6,333円 少額検討
3.30% 5,758円 分割候補
3.50% 5,429円 積極検討
3.80% 5,000円 かなり魅力的
4.00% 4,750円 強い買い場
現在7,000円台では高配当目的なら見送り。 6,300円でようやく利回り3%。 5,700円台から分割候補、 5,400円以下なら本格的に検討しやすくなります。

この銘柄で狙う投資シナリオ

① 鉱山需要

銅・金需要拡大に伴う 鉱山設備投資を取り込みます。

② サービス収益

部品・保守・遠隔管理による 高収益ストック型ビジネスを伸ばします。

③ 自動化

無人鉱山・スマートコンストラクションなど ソフトウェア・サービス比率を高めます。

コマツを買うなら、 「優良企業だから今買う」 ではなく 「優良企業が高配当投資に合う価格まで下がるのを待つ」 戦略が適しています。

最終判断:Bランク72点。企業品質はA級だが、現在価格では高配当投資対象外。

コマツは、 世界トップクラスの建設・鉱山機械、 高収益な部品・サービス、 自動運転・DX、 半導体関連、 ROE11.26%、 自己資本比率51.8%、 1Q増収増益、 1,000億円自社株買い、 という非常に強い企業基盤を持っています。

その一方で、 現在利回り2.69%、 3年平均との差▲1.09ポイント、 PER18.15倍、 PBR1.79倍、 通期純利益▲7.3%予想、 という価格・業績条件です。

したがって、 企業品質だけならAランク級ですが、 現在値での高配当投資評価はBランク となります。

7,000円台で無理に買う必要はなく、 5,700円以下から再評価、 5,400円前後なら有力候補、 5,000円前後ならかなり魅力的です。

買い方 7,000円台は見送り。 6,300円前後で少額。 5,700円台で分割。 5,400円以下なら積極検討。
継続確認 鉱山機械需要、 銅・金価格、 為替、 営業利益率、 190円配当、 自社株買い、 中国・北米需要。

高配当ポートフォリオでの位置づけ

コマツは、 「高配当主力株」ではなく、 価格が下がれば一気に上位候補へ変わる監視銘柄 という位置づけです。

企業品質

世界トップ級。 競争力・収益性・事業基盤は非常に優秀です。

現在利回り

2.69%。 高配当ポートフォリオの基準には届きません。

監視価格

5,700円以下で再評価。 5,400円前後なら 買い優先順位を大きく引き上げたい水準です。

情報源・前提
  • 株価・PER・PBR: 2026年8月21日終値基準
  • 年間配当: 2027年3月期会社予想190円
  • 3年平均配当利回り: 2024年3月期〜2026年3月期の期末利回り単純平均
  • 株主還元: 連結配当性向40%以上
  • 最新業績: 2027年3月期第1四半期決算および修正後通期予想
  • 自社株買い: 上限2,500万株・1,000億円、取得株式は原則消却予定

コマツ IR 配当情報 Yahoo!ファイナンス IRBANK 配当推移

本資料は2026年8月21日時点の 株価・会社予想・配当予想等を基に整理しています。 将来の業績・配当・株価上昇を保証するものではありません。 特に為替、 銅・金などの資源価格、 鉱山機械需要、 世界景気、 北米・中国需要、 営業利益率、 年間190円配当、 自己株式取得については 最新の決算・IR資料をご確認ください。
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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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