東洋製罐グループホールディングス(5901)

東洋製罐グループホールディングス(5901)投資分析

PACKAGING & MATERIALS REPORT · 2026.08

東洋製罐グループホールディングス 5901

DOE4%・利回り4.18%・6期連続増配予想・PBR0.94倍 。 飲料・食品容器という安定事業を基盤に、 資本効率改善と株主還元を大きく強化している 高還元型ディフェンシブ株

株価 4,448円 利回り 4.18% 年間配当 186円 DOE 4% PBR 0.94倍 6期連続増配予想
評価:Aランク/87点。現在値から少額購入可能。 DOE4%・増配・PBR1倍割れ・1Q営業利益34.8%増は魅力。 一方、PER21倍台・配当性向約89%・年初来高値圏のため、 現在値で一括購入するより4,100円、3,900円付近へ分割するのが適しています。
目次

投資判断の要点

東洋製罐グループHDは、 飲料缶・食品缶・ペットボトル・紙容器・ガラスびんなど、 生活に欠かせない包装容器を幅広く展開する企業です。

現在は、 利回り4.18%、 DOE4%、 6期連続増配予想、 PBR0.94倍 と、高配当投資で評価しやすい条件がそろっています。

さらに1Q営業利益は34.8%増。 同時に通期営業利益予想を 300億円から380億円へ上方修正しています。

魅力: DOE4%、 今期54円増配、 3年平均以上の利回り、 PBR1倍割れ、 価格転嫁進展、 自社株買い・政策保有株売却。
注意: 予想配当性向は約88.9%、 PERは21倍台。 株価も年初来高値圏にあるため、 企業評価ほど現在価格の割安感は強くありません。
A 87点

還元強化で評価が変わった銘柄

従来の「資産は多いが資本効率が低い企業」から、 DOE・自社株買い・政策株売却を通じて 株主還元型企業へ変化しています。

主要投資指標

株価
4,448円
2026年8月21日終値
配当利回り
4.18%
年間186円
3年平均利回り
3.71%
現在+0.47pt
予想PER
21.25倍
割安感は弱い
PBR
0.94倍
1倍割れ
予想配当性向
約88.9%
DOE配当の影響
自己資本比率
55.8%
良好
ROE
8.06%
改善途上

現在利回り4.18%は3年平均を上回る

決算期 年間配当 期末利回り
2024年3月期 90円 3.69%
2025年3月期 91円 3.72%
2026年3月期 132円 3.73%
3年平均 3.71%
現在 186円 4.18%
4.18% − 3.71% = +0.47ポイント

株価は年初来高値圏ですが、 年間配当が132円から186円へ大幅に増えたため、 利回りは過去3年平均を上回っています。

高値圏=高利回りではない、とは限らない。 今回は株価上昇以上に配当が増えたため、 現在値でも4%を超える利回りを確保できます。

6期連続増配予想、今期は+54円

年間配当推移

14
19/3
14
20/3
43
21/3
88
22/3
89
23/3
90
24/3
91
25/3
132
26/3
186
27/3予
決算期 年間配当 前期比
2019年3月期 14円 据え置き
2020年3月期 14円 据え置き
2021年3月期 43円 +29円
2022年3月期 88円 +45円
2023年3月期 89円 +1円
2024年3月期 90円 +1円
2025年3月期 91円 +1円
2026年3月期 132円 +41円
2027年3月期予想 186円 +54円
今期186円を達成すれば 6期連続増配 。 2020年3月期14円から比べると、 年間配当は約13倍まで増えています。

DOE4%導入が最大の評価ポイント

DOE方針 4%
BPS 4,713.57円
DOE4%換算 約188.5円
今期配当 186円

186円はDOE4%にほぼ一致

4,713.57円 × 4% = 約188.5円

会社予想186円は、 現在のBPSにDOE4%を適用した水準と ほぼ一致しています。

つまり186円は、 単発の記念配当ではなく、 現在の株主資本を前提とした 中期的な配当基準に近い と考えられます。

配当性向89%でも意味が違う

186円 ÷ 209.18円 = 約88.9%

一般企業で配当性向約89%なら かなり高い水準です。

しかし東洋製罐は、 純利益だけではなく 自己資本を基準に配当を決める DOE方式へ移行しています。

ただしDOE4%でも 絶対的な累進配当ではありません。 BPSが大きく減れば、 将来のDOE配当も低下する可能性があります。

最新1Q|営業利益+34.8%

項目 1Q実績 前年同期比 進捗率
売上高 2,676.26億円 +11.4% 25.7%
営業利益 203.35億円 +34.8% 53.5%
経常利益 219.05億円 +32.2% 54.1%
純利益 153.34億円 ▲7.2% 48.7%

本業はかなり好調

売上・営業利益・経常利益が そろって大きく伸びています。

純利益減少は、 前期に計上した投資有価証券売却益の反動が主因です。

営業利益進捗53.5%。 1Qとしては非常に高い進捗ですが、 包装容器は夏場需要の影響を受けるため、 単純に通期2倍ペースと見る必要はありません。

1Q増益の主因

包装容器の価格改定

原材料・エネルギーコスト上昇分の 価格転嫁が進み、採算が改善しています。

鋼板関連

販売数量が増加し、 営業利益は前年同期比158.1%増となりました。

二次電池材

車載用二次電池材の販売拡大が 成長分野として寄与しています。

機能材料

機能材料関連事業も改善し、 営業利益は81.7%増となりました。

全セグメント増収

特定事業だけではなく、 全セグメントで増収となっています。

価格転嫁力

過去の利益悪化要因だった 原材料高を販売価格へ転嫁する力が改善しています。

通期予想を上方修正

項目 修正前 修正後 前期比
売上高 1兆300億円 1兆400億円 +8.0%
営業利益 300億円 380億円 ▲26.9%
経常利益 350億円 405億円 ▲30.5%
純利益 300億円 315億円 ▲42.7%
EPS 約199円 209.18円
年間配当 186円 186円 +54円
営業利益予想は 300億円 → 380億円 へ約26.7%上方修正されました。
ただし前期比では減益予想です。 前期の高利益・資産売却益からの反動もあるため、 今期だけでなく複数年で利益水準を見る必要があります。

事業の強み

飲料・食品容器

飲料缶・食品缶・ペットボトルなど、 生活必需品向けの安定需要があります。

幅広い容器技術

紙・ガラス・金属・樹脂まで 多様な包装素材へ対応できます。

景気耐性

飲料・食品・日用品が中心のため、 景気後退でも需要が急減しにくい事業です。

二次電池材

EV・ハイブリッド車向けの 車載用二次電池材を成長分野として展開しています。

機能材料

光学フィルムなど、 包装容器以外の高付加価値製品も持っています。

海外包装

海外市場でも包装容器事業を展開し、 国内人口減少への対応を進めています。

資本効率改善が大きな株価テーマ

政策株売却目標
600億円
2021〜27年度
売却済み
514億円
2025年度まで
自己株取得累計
800億円
還元強化
追加取得方針
200億円
2027年度末まで

PBR1倍割れ改善

政策保有株・余剰資産を減らし、 配当と自社株買いへ資本を振り向けています。

DOE4%+自社株買い+資産売却 の組み合わせは、 ROE向上とPBR改善に直結します。

成長投資も大きい

2026〜2030年度には 約3,500億円の投資を計画しています。

還元だけでなく投資も大きいため、 投資効果が利益・ROICへ結びつくかが重要です。

2030年に向けた成長テーマ

ROE8%以上

資本効率改善によって ROE8%以上を安定的に目指します。

EBITDA1,300億円

2030年度に向けて EBITDA拡大を目指しています。

環境対応容器

軽量化・リサイクル・環境配慮型包装を 成長領域として強化します。

海外成長

国内需要縮小を補うため、 海外包装容器事業を拡大します。

車載電池

EV・HV向け二次電池材を 包装以外の成長柱へ育成します。

事業再構築

不採算事業・拠点を再構築し、 資本効率改善を進めます。

重点リスク

配当性向89%

DOE方式とはいえ、 単年度利益に対する配当負担は高めです。

PER21倍台

PBRは低い一方で、 現在利益に対するPERは高めです。

国内人口減少

長期的には国内飲料・食品容器需要の 縮小圧力があります。

原材料価格

鋼材・アルミ・樹脂・エネルギー価格上昇が 利益を圧迫する可能性があります。

大型投資

3,500億円規模の投資が 期待した利益を生まない可能性があります。

EV市場

二次電池材を成長領域としていますが、 EV市場の成長鈍化は逆風になります。

最大の投資リスク: PBR0.94倍だけを見ると安く見えますが、 PER21倍台と高い配当性向 を考えると、 利益面での割安余地はそれほど大きくありません。

総合評価レーダー

配当利回り
10/10
増配・非減配
28/30
財務・配当安全性
18/20
業績・将来性
16/20
割安度
15/20
評価の核心: DOE4%・増配・財務・安定事業は高評価。 一方、 PER21倍台と配当性向の高さ が最上位評価を妨げています。

年間配当186円から逆算した買い水準

現在 4.18% 4,448円 少額検討
4.20% 4,429円 現在近辺
4.50% 4,133円 買いやすい
4.80% 3,875円 積極購入
5.00% 3,720円 強い買い場
5.31% 3,500円 かなり魅力的
分割購入案: 現在値で20〜30%程度を打診。 4,100円前後で追加。 3,900円前後なら積極度を上げ、 3,700円台なら利回り5%で強い買い候補です。

この銘柄で狙う投資シナリオ

① DOE4%

自己資本を基準にした安定配当を 長期的に受け取るシナリオです。

② PBR改善

政策株売却・自社株買い・資産圧縮による PBR1倍超えを狙います。

③ 成長事業

二次電池材・機能材料・海外包装など 新たな利益源の成長を待ちます。

東洋製罐グループHDは、 「4%超の配当を受け取りながら、 資本効率改善とPBR修正を待つ」 投資との相性が良い銘柄です。

最終判断:Aランク87点。現在値でも少額購入可能、4,100円以下で魅力度アップ。

東洋製罐グループHDは、 利回り4.18%、 6期連続増配予想、 9期連続非減配予想、 DOE4%、 PBR0.94倍、 自己資本比率55.8%、 1Q営業利益+34.8%、 通期上方修正、 自社株買い、 政策保有株売却、 という魅力を持っています。

特に、 DOE4%の導入によって、 年間186円が単発の大幅配当ではなく 中期的な基準配当に近づいた 点は大きな評価ポイントです。

一方、 予想配当性向約88.9%、 PER21.25倍、 年初来高値圏、 という点から、 現在株価に大きな安全余裕があるとは言いにくい状態です。

したがって、 「現在値で少額は買えるが、 4,100円・3,900円へ下がるほど 買い優先順位を上げる」 のが適切です。

買い方 現在値で20〜30%程度。 4,100円前後で追加。 3,900円以下なら積極購入候補。
継続確認 DOE4%、 BPS、 営業利益、 価格転嫁、 二次電池材、 政策株売却、 自社株買い、 ROE。

高配当ポートフォリオでの位置づけ

東洋製罐グループHDは、 「高成長株」ではなく 「安定事業+資本効率改善+DOE高配当」 というタイプです。

配当

DOE4%で安定化。 現在でも利回り4%超を確保できます。

企業変化

政策株・不動産・余剰資本を圧縮し、 株主還元を強化しています。

買いやすさ

現在でも候補。 ただし4,100円以下なら 優先順位をさらに上げたい水準です。

情報源・前提
  • 株価・PER・PBR: 2026年8月21日終値基準
  • 年間配当: 2027年3月期会社予想186円
  • 株主還元: 2026〜2030年度DOE4%方針
  • 3年平均配当利回り: 2024年3月期〜2026年3月期の期末利回り単純平均
  • 最新業績: 2027年3月期第1四半期決算および上方修正後会社予想
  • 資本政策: 政策保有株式売却・自己株式取得・不動産有効活用等

東洋製罐グループHD IR 配当情報 Yahoo!ファイナンス

本資料は2026年8月21日時点の 株価・会社予想・配当予想等を基に整理しています。 将来の業績・配当・株価上昇を保証するものではありません。 特にDOE方針、 BPS、 価格転嫁、 原材料価格、 二次電池材、 政策保有株式売却、 自社株買い、 大型投資の回収状況については 最新の決算・IR資料をご確認ください。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次