LIXIL(5938)

LIXIL(5938)投資分析

HOUSING & BUILDING PRODUCTS REPORT · 2026.08

LIXIL 5938

利回り5.13%・年間90円を5期連続維持 。 高配当と長期非減配実績を持つ一方、 現在は利益で配当をまかなえていない 業績回復待ちのターンアラウンド高配当株

株価 1,756円 利回り 5.13% 年間配当 90円 配当性向 約216% PER 約42倍 17期非減配予想
評価:Cランク/64点。現在値では2Q確認を優先。 5%超の利回りは魅力ですが、 予想配当性向約216%、1Q最終赤字、事業利益進捗3.8%と 配当安全性は低い状態です。 買う場合も1,600円台前半以下で少額に抑えたい銘柄です。
目次

投資判断の要点

LIXILは、 住宅用サッシ・建材・水回り設備などを 国内外で展開する大手住宅設備メーカーです。

現在は、 利回り5.13%、 年間90円配当を5期連続維持、 17期連続非減配予想 と、表面上の配当条件は魅力的です。

しかし、 現在の利益水準では その90円配当を十分にまかなえていません。

最重要: 2027年3月期予想EPS約41.75円に対し、 年間配当は90円。 予想配当性向は約215.6% です。
1Qも最終赤字、 事業利益進捗率3.8%。 現時点では 「高利回りだから買う」のではなく、 下期の業績回復が本当に実現するか を確認する必要があります。
C 64点

高配当維持型ターンアラウンド

90円配当を維持する意思は強いものの、 利益・キャッシュフロー面の裏付けが弱い状態。 2Q以降の回復確認を優先します。

主要投資指標

株価
1,756円
2026年8月21日終値
予想配当利回り
5.13%
年間90円
3年平均利回り
約5.18%
現在は▲0.06pt
予想PER
約42.1倍
利益水準が低い
PBR
0.75倍
1倍割れ
予想配当性向
約215.6%
利益超過配当
自己資本比率
33.8%
やや低め
ROE
1%台
低収益

5.13%でも過去平均とほぼ同じ

決算期 期末配当利回り
2024年3月期 4.79%
2025年3月期 5.21%
2026年3月期 5.55%
3年平均 5.18%
現在 5.13%
5.13% − 5.18% = ▲0.06ポイント

利回り5%超は絶対水準としては高いですが、 過去3年平均とほぼ同水準です。

したがって、 利回りだけで見れば 現在が特別な割安局面とは言えません。

さらに重要: 現在の高利回りは、 株価の割安だけでなく 業績悪化と減配懸念 を反映している可能性があります。

年間90円を5期連続で維持

年間配当推移

65
18/3
70
19/3
70
20/3
75
21/3
85
22/3
90
23/3
90
24/3
90
25/3
90
26/3
90
27/3予
決算期 年間配当
2018年3月期 65円
2019年3月期 70円
2020年3月期 70円
2021年3月期 75円
2022年3月期 85円
2023年3月期 90円
2024年3月期 90円
2025年3月期 90円
2026年3月期 90円
2027年3月期予想 90円
2023年3月期以降、 年間90円を5期連続で維持予想 。 長期的な配当維持姿勢は評価できます。
一方で、 現在は連続増配銘柄ではありません。 利益が伸びないまま配当だけを維持しているため、 配当の「成長性」より「維持姿勢」を評価する銘柄です。

LIXILの配当方針

年間配当 90円
配当基準 中期EBITDA
累進配当 なし
DOE下限 なし
LIXILは、 単年度純利益だけではなく 中期的なEBITDA水準・キャッシュフロー・財務・成長投資 を総合的に見て配当額を決定しています。
このため配当性向100%超でも 直ちに減配するわけではありません。 ただし、 累進配当・DOE下限・1株配当下限はありません。

90円配当を利益だけではまかなえない

90円 ÷ 41.75円 = 配当性向 約215.6%

2027年3月期予想EPSは約41.75円。

年間配当90円は、 予想利益の2倍以上になります。

前期もEPS28.33円に対し90円を配当し、 配当性向317.7% でした。 2年連続で 純利益を大幅に超える配当となる見込みです。

90円を健全に払うために必要なEPS

目標配当性向 必要EPS
50% 180円
60% 150円
70% 約129円
100% 90円
会社予想EPS 約41.75円
配当正常化には利益回復が不可欠。 90円配当を長期的に維持するなら、 少なくともEPS90円以上、 より健全に見るならEPS130〜180円程度までの回復が欲しいところです。

最新1Q|事業利益▲81.3%・最終赤字

項目 1Q実績 前年同期比
売上収益 3,792.12億円 +4.0%
事業利益 16.9億円 ▲81.3%
営業利益 17.62億円 ▲74.3%
最終損益 ▲35.07億円 赤字拡大
EPS ▲12.20円
営業CF 79.86億円 ▲59.1%

増収でも利益が出ていない

売上収益は4%増加しています。

しかし、 アルミ・石油化学製品などの資材価格上昇、 海外市場低迷、 物流費増加などにより 利益は大幅に悪化しました。

国内ハウジングも赤字化。 資材高とリフォーム売上比率低下によって、 国内主力事業まで利益が悪化しています。

1Q減益の主因

アルミ価格

サッシなどの主原料である アルミ価格上昇が利益を圧迫しています。

石化製品

樹脂・石油化学原料などの 材料価格上昇もコスト増要因です。

国内リフォーム

収益性の高いリフォーム売上比率が低下し、 国内ハウジング採算が悪化しました。

中国

住宅・不動産市場の低迷が 売上・利益の重荷になっています。

米国

住宅市場低迷によって 海外事業の利益回復が遅れています。

中東物流費

地政学リスクに伴う 物流コスト増加が ウォーター事業の利益率を圧迫しています。

通期予想は据え置き、下期回復が前提

項目 2027年3月期予想 前期比
売上収益 1兆6,000億円 +5.9%
事業利益 450億円 +16.9%
営業利益 375億円 +32.0%
最終利益 120億円 +47.4%
EPS 約41.75円
年間配当 90円 据え置き
1Q事業利益16.9億円に対し、 通期計画は450億円。 進捗率はわずか3.8% です。
会社は 2Qまでコスト上昇が先行し、 3Q以降に価格改定効果が本格化 すると見ています。 つまり通期計画は かなり強い下期回復が前提です。

今後の回復シナリオ

価格改定

住宅設備は8月、 サッシ・エクステリアは10月以降に 値上げ効果が本格化する予定です。

海外ウォーター

GROHEなどを中心に 欧州・中東・インド・アフリカで 成長余地があります。

国内リフォーム

断熱窓、 省エネ改修、 水回り更新需要が 国内住宅市場縮小を補う重要テーマです。

構造改革

工場再編、 物流効率化、 固定費削減によって 利益率改善を目指します。

AI・DX

業務効率化や生産性改善によって 中長期的な固定費削減を狙います。

高付加価値化

断熱・節水・省エネ商品を増やし、 単純な住宅着工依存を低下させることが重要です。

LIXILの再評価には、 「値上げ → 利益率回復 → キャッシュフロー改善」 という流れが実際の数字で確認できることが必要です。

財務とキャッシュフローにも注意

自己資本比率
33.8%
前期末から低下
営業CF
+79.9億円
1Q
投資CF
▲344.7億円
1Q
フリーCF
約▲264.8億円
1Q

配当支払い

1Qの配当支払額は 約129.4億円です。

一方で、 フリーキャッシュフローは マイナスとなっています。

足元では 本業から生まれるフリーCFだけで 配当を十分にまかなえている状態ではありません。

投資CFには一時要因もある

投資CF悪化には 余剰資金の短期運用が含まれており、 次四半期に解消する予定です。

そのため ▲344.7億円をすべて 恒常的な設備投資負担と見る必要はありません。 それでも、 財務余力は十分に確認したい状態です。

重点リスク

減配リスク

配当性向200%超が続く場合、 90円配当を長期維持する負担が大きくなります。

利益回復遅延

価格改定が浸透しなければ、 通期利益計画の達成が難しくなります。

国内住宅市場

人口減少に伴い、 新築住宅着工の長期縮小が予想されます。

海外市場

中国・米国住宅市場の低迷が 海外利益の回復を遅らせる可能性があります。

低ROE

ROEは1%台。 PBR0.75倍には 低い資本効率が織り込まれています。

明確な配当下限なし

DOE下限・累進配当・最低配当などの 明確な保証がありません。

最大のリスク: 90円配当の維持が 「業績回復までの一時的なつなぎ」なのか、 それとも 「財務を削りながら維持する状態」になるのか。 次の2Q・3Qで見極める必要があります。

総合評価レーダー

配当利回り
10/10
増配・非減配
22/30
財務・配当安全性
10/20
業績・将来性
9/20
割安度
13/20
評価の核心: 利回りと長期非減配は強い一方、 配当安全性と利益成長が大幅な減点要因 です。

年間配当90円から逆算した買い水準

現在 5.13% 1,756円 業績確認優先
5.30% 1,698円 少額検討
5.50% 1,636円 検討候補
5.63% 1,600円 分割候補
6.00% 1,500円 悪化織込み
LIXILでは価格より業績確認を優先。 1,500円まで下落して利回り6%になっても、 90円配当自体が維持できなければ 想定利回りは成立しません。

次の2Qで必ず確認したい5項目

① 事業利益

1Q16.9億円から 明確な利益回復が始まっているか。

② 価格改定

値上げが販売価格へ どの程度浸透しているか。

③ 通期450億円

事業利益450億円の会社計画が 維持されるか。

④ 営業CF

利益回復とともに 営業キャッシュフローが改善するか。

⑤ 年間90円

配当予想90円に変更がないかを 最優先で確認します。

下方修正なら再評価

利益・配当予想が下方修正された場合、 買い水準自体を再計算する必要があります。

LIXILを買うなら狙うシナリオ

① 値上げ浸透

価格改定によって 資材高を吸収し、 国内利益率を回復させる。

② 海外改善

GROHEを中心とした ウォーター事業で収益を回復させる。

③ 配当正常化

EPSを引き上げ、 配当性向を100%以下へ戻すことが 最大の再評価材料です。

現在のLIXILは、 「5%配当を受け取る銘柄」 というより 「90円配当を維持できる利益水準へ戻れるかを見る銘柄」 です。

最終判断:Cランク64点。1Q時点では見送り、2Q確認を優先。

LIXILは、 利回り5.13%、 年間90円配当、 長期非減配実績、 PBR0.75倍、 という表面的には魅力的な条件を持っています。

しかし、 予想配当性向約215.6%、 前期配当性向317.7%、 予想PER約42倍、 1Q最終赤字、 事業利益進捗3.8%、 自己資本比率33.8%、 DOE・累進配当・配当下限なし、 という弱点があります。

特に、 「高配当だが、その配当を現在の利益では稼げていない」 という点を最も重視する必要があります。

したがって、 現段階では急いで買う必要はありません。

買い方 まず2Q確認。 購入する場合も少額。 1,600円台前半以下を一つの目安とする。
継続確認 事業利益、 価格改定、 営業CF、 海外利益率、 通期450億円、 年間90円配当。

高配当ポートフォリオでの位置づけ

LIXILは現時点で、 主力の高配当株として組み入れるタイプではありません。

配当安全性

配当性向200%超。 主力枠には不向きです。

回復余地

価格改定と構造改革が成功すれば、 利益改善による株価上昇余地はあります。

現在の扱い

ターンアラウンド枠。 保有する場合でも ポートフォリオ比率は抑えたい銘柄です。

情報源・前提
  • 株価: 2026年8月21日終値1,756円
  • 年間配当: 2027年3月期会社予想90円
  • 3年平均配当利回り: 2024年3月期〜2026年3月期の期末利回りを単純平均
  • 予想PER: 株価1,756円÷会社予想EPS約41.75円で概算
  • 最新業績: 2027年3月期第1四半期決算
  • 株主還元: 中期EBITDA・キャッシュフロー・財務・成長投資等を総合的に考慮

LIXIL IR 株主還元方針 業績予想

本資料は2026年8月21日時点の 株価・会社予想・配当予想等を基に整理しています。 将来の業績・配当・株価上昇を保証するものではありません。 特に価格改定、 国内ハウジング事業、 海外ウォーター事業、 営業キャッシュフロー、 配当維持、 通期利益予想については 最新の決算・IR資料をご確認ください。
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この記事を書いた人

26歳のメーカー勤務のサラリーマンです。
サイドFIREを目指して6000万の資産形成を目標にしています。
お金・投資の勉強をしており、資産を増やすための知識を蓄えながら、コツコツと
頑張っています!

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