TIRE & MOBILITY REPORT · 2026.08
TOYO TIRE 5105
6期連続増配予想・PER約9.4倍・大規模自社株買い 。 北米SUV・ピックアップ向け大型タイヤで高収益を稼ぎ、 資本政策でも大きく動き始めた 高収益バリュー株。
投資判断の要点
TOYO TIREは、 タイヤ国内大手の一角で、 特に北米のSUV・ピックアップトラック向け 大径タイヤに強みを持つメーカーです。
現在は、 配当利回り3.56%、 PER約9.4倍、 PBR約1.06倍、 6期連続増配予想 と、利益水準に対する株価の割安感が目立ちます。
さらに2026年8月には、 三菱商事が保有していた約20%の株式を 約1,110億円で取得。 消却後は1株当たり利益の向上が期待できます。
高収益+資本効率改善型
今の魅力は配当だけではありません。 20%規模の自己株取得・消却によって、 EPS・ROE・将来配当の改善余地が大きくなっています。
主要投資指標
現在利回り3.56%は3年平均を下回る
| 年度 | 年間配当 | 年末株価 | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 100円 | 2,360円 | 4.24% |
| 2024年 | 120円 | 2,446円 | 4.91% |
| 2025年 | 130円 | 4,335円 | 3.00% |
| 3年平均 | ― | ― | 4.05% |
| 現在 | 135円 | 3,789円 | 3.56% |
現在利回りは、 3年平均を0.49ポイント下回っています。
3年平均利回り4.05%に相当する株価は 約3,333円です。
6期連続増配予想・13期連続非減配
年間配当推移
| 年度 | 年間配当 | 増減 |
|---|---|---|
| 2019年 | 45円 | 据え置き |
| 2020年 | 45円 | 据え置き |
| 2021年 | 76円 | +31円 |
| 2022年 | 80円 | +4円 |
| 2023年 | 100円 | +20円 |
| 2024年 | 120円 | +20円 |
| 2025年 | 130円 | +10円 |
| 2026年予想 | 135円 | +5円 |
約20%規模・1,110億円の自社株買い
株主へのメリット
- 発行済株式数が約20%減少
- 同じ純利益でもEPSが上昇
- 1株配当の増額余地が拡大
- ROE・資本効率の改善
- 三菱商事との持ち合い解消
- 株式需給の改善
3,602円は重要な参考価格
TOYO TIRE自身が 約1,110億円を投じて買い戻した価格です。
そのため、 3,550〜3,600円付近は 株価水準を考える上で一つの参考になります。
2026年上期|増収ながら営業利益▲22.2%
| 指標 | 上期実績 | 前年同期比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,842億円 | +0.3% | 6,380億円 | 44.5% |
| 営業利益 | 375億円 | ▲22.2% | 900億円 | 41.7% |
| 経常利益 | 394億円 | ▲9.9% | 870億円 | 45.3% |
| 純利益 | 294億円 | ▲11.7% | 620億円 | 47.5% |
通期予想は内容に濃淡
| 項目 | 旧予想 | 新予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,200億円 | 6,380億円 |
| 営業利益 | 940億円 | 900億円 |
| 経常利益 | 820億円 | 870億円 |
| 純利益 | 540億円 | 620億円 |
TOYO TIREの事業の強み
北米大型タイヤ
SUV・ピックアップトラック向け 大径タイヤで高いブランド力を持っています。
高付加価値戦略
販売本数だけを追わず、 高単価・高利益率の商品構成を重視しています。
交換用中心
新車用より交換用タイヤ比率が高く、 値上げや商品ミックス改善を 利益につなげやすい構造です。
高い利益率
2025年営業利益率は16.4%。 タイヤメーカーとして かなり高収益な水準です。
ブランド力
北米では大型SUV・ピックアップの カスタム需要との相性が良く、 価格競争だけになりにくい特徴があります。
改善した財務
自己資本比率は 2020年49.6%から 2026年上期71.6%まで改善しています。
今後の成長材料
北米SUV市場
SUV・ピックアップトラックの 高付加価値タイヤ需要拡大を取り込みます。
大径化
高単価の大径タイヤ比率上昇は 売上単価と利益率の改善につながります。
北米値上げ
価格改定が浸透すれば、 原材料・物流費上昇の吸収が期待できます。
セルビア工場
欧州生産体制を再編し、 生産効率改善と物流最適化を進めます。
EPS向上
約20%の自己株消却により、 利益横ばいでもEPSを伸ばしやすくなります。
配当余力
配当性向は概算26.8%。 利益と財務の状況次第では 追加増配余地があります。
重点リスク
北米依存
SUV・ピックアップ市場への集中度が高く、 北米景気悪化の影響を受けやすい構造です。
為替
円安は追い風ですが、 円高になると海外利益の円換算額が低下します。
原材料費
天然ゴム、 合成ゴム、 カーボンブラック、 原油価格の上昇は利益を圧迫します。
物流費
海上運賃や北米物流費の上昇は 利益率悪化要因になります。
米国関税
米国の関税・通商政策次第で 輸出採算が変動する可能性があります。
財務低下
1,110億円の自社株買いによって 現金・自己資本は大きく減少します。
総合評価レーダー
年間配当135円から逆算した買い水準
ブリヂストンとの比較
| 項目 | TOYO TIRE | ブリヂストン |
|---|---|---|
| 配当利回り | 3.56% | 3.04% |
| 予想PER | 約9.4倍 | 約15.2倍 |
| PBR | 約1.06倍 | 約1.36倍 |
| 連続増配 | 6期予想 | 6期予想 |
| 配当性向 | 約26.8% | 約46.2% |
| 財務安定性 | 高い | 非常に高い |
| 事業分散 | 北米集中 | 世界分散 |
| 現在の買い妙味 | TOYO TIRE | 調整待ち |
最終判断:Aランク89点。3,600円以下を待って分割購入。
TOYO TIREは、
北米SUV・ピックアップ向けの高収益タイヤ、
営業利益率の高さ、
6期連続増配予想、
13期連続非減配、
PER約9.4倍、
低い配当性向、
そして約20%規模の自己株取得・消却、
という非常に強い投資材料を持っています。
特に今回の自社株買いは
TOYO TIREの資本政策を大きく変えるイベントです。
株式数が減少することで、
同じ利益でもEPS・ROE・1株配当を
伸ばしやすくなります。
一方、
現在利回り3.56%は3年平均4.05%を下回り、
上期営業利益も22.2%減少しています。
したがって、
「会社は魅力的だが、
現在3,789円で急いで買う必要はない」
という判断です。
- 株価: 2026年8月21日終値3,789円
- 年間配当: 2026年12月期会社予想135円
- 配当履歴: 2014年以降の年間配当実績
- 業績: 2026年12月期上期決算および修正通期予想
- 自社株買い: 2026年8月の三菱商事保有株取得
- 配当性向: 自己株式取得後の株式数と会社純利益予想を用いた概算











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